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宴会の変化(伝統的宴会の衰退)

日本ではバブルの頃までは職場での飲み会が盛んに行われて、上司が部下に説教?しながらしこたま飲ませて連れ回すような場面がよく見られました。今の常識であればパワハラやセクハラまがいの光景がしばしばありました。それが90年代終盤くらいから徐々に変わってきて、現在では職場の飲み会といっても年に数回、強制ではなく若手や女性は参加しないということも普通になってきました。仕事の延長のような飲み会は敬遠され、仲間同士で楽しく飲むようになってきています。

中国の宴会は以前はまさに仕事そのもので、飲み会の場で親しくなりビジネスが決まるようなこともありました。ビジネスパートナーや上司への挨拶として白酒での乾杯も何度も何度も行われていました。日本よりも働く女性が多く平等意識も高いので、女性も男性と同じノリでガンガン飲んでいました。しかし近年ではそういった伝統的な中国の宴会は衰退してきているようです。

先ずは贅沢を控える国の方針により浪費を伴う派手な宴会が減ってきました。飲酒運転の処罰が厳格化されたことで宴会に参加しても飲まない人が増えてきました。また、近年では若い人を中心にお酒を全く飲まない人が増えてきました。更に女性の中には男性本位の飲み会に出ることを好ましく思わない人も増えてきているようです。日本のようにあからさまに欠席はしないまでも、仰々しく上司に挨拶をして白酒で乾杯するようなことはせず、お酒は飲まずに食事して談笑するに止めています。

社会が急速な変化を遂げている中国では、新旧入り交じった過渡期の状態のものごとが多く、宴会もその一つだと思います。この先数年もすれば日本と同じような気軽な飲み会になるのだろうと思います。そして旧来のやり方を変えられずにハラスメントで訴えられる人が増えてくるのではないかと予測します。

中国語を学ぶメリットを確認する(★★★★★)

中国語を学ぶメリットをしっかり認識することが、学習に対するモチベーションを維持し高めるために最も重要だと思います。私はどちらかというと必要に迫られてしぶしぶ学習を開始したクチですが、今ではそれが運が良かったことだと思っています。中国語ができるメリットが高まってきたからです。

中国の高度発展期に合わせて1990年代中盤から2010年代初旬までに日本の企業の中国進出が相次ぎ、中国語ブームが高まりましたが、その後やや沈静化したと思います。しかし本当の需要はこれからだと思います。私が子供の頃は「これからは英語だ。英語を勉強すればチャンスが広がる」と言われました。私はそれを中国語に置き換える時期が来ていると考えています。それは、経済大国となった中国が今後も発展して将来は世界をリードするようになると考えられるからです。日本にいた時は分かりませんでしたが中国に住むとそれがリアルに感じられます。その観点から大きく二つのメリットがあります。

一つ目は活動範囲が広がることです。中国語を使う人の数は元々多く、中華圏以外でもシンガポールやマレーシアなどの東南アジアや各国のチャイナタウンなどで広く使われていて、13億人強と言われます。二番目のスペイン語の約4.5億人、三番目の英語の約4億人と比べて圧倒的に多いです。中国が発展する前は数が多いだけで重要視されませんでしたが、今では多くの人が学び活用する言語になっているため、英語のような共通言語になりつつあります。中国語ができると活動範囲が中華圏と東南アジアに広がります。更に共通言語化の進展により他の地域でも使えるようになります。最近ではヨーロッパでも通じるようになってきたと聞きます。

二つ目はチャンスが広がることです。中国は政治面で日本と対立することが多い一方で、日本を先進国としてベンチマーキングしており、2021年にはあらゆる分野で日本を追い越すことを目標にしています。科学技術の領域でもAI大国になることを目指しており、高度な技術知識を持った若い人材が大量に育ってきています。明確な目標を掲げて、巨大なマーケットと先進科学技術を持つ国、それがすぐ隣に存在するのに交流しない手はありません。一方の日本は少子高齢化の進展で経済を維持するのは難しくなり、自然と観光立国へと向かうと思います。日本には豊かな自然と趣のある文化、おもてなしの心があり、世界中の人から愛されていますので、観光産業は大いに発展すると思います。そしてさらに多くの中国人が来日するようになるので、日本にいても中国語が話せるメリットは大きくなります。日中互いの利点を活かして共に発展していきたいものです。

そんな有益な中国語を、同じ漢字文化を持つ日本人は他国の人より簡単に習得できるのです。やらねば損だと素直に思います。

一方、ツイッターで有識者の方々から以下のような利点を紹介して頂きました。参考になさって下さい。新たな気づきが沢山ありました。

欧米人への英語コンプがなくなる、おおらか元気になれる、中華圏以外でも通じる、美味しい中国ローカル料理が食べられる、古代中国の英知を学べる、互いに交流できる、思考のスケールが広がる、漢字圏で比較的簡単に習得できる

中国人という概念?

これまで主に大陸の中国人とお付き合いしてきて、自分の中で「中国人とは」という概念を形成してきました。この度、アメリカのシアトルに行く機会があり、そこで過去に移住してきた中国人や現在の中国人留学生たちに触れて、一括りにして語ることは不適切だと思いました。

シアトルには1800年代後半から日本人が移住し始め、1900年初頭には現在のインターナショナルディストリクトに日本人街が形成されました。当時の日本人のアメリカへの2大移住先がシアトルとサンフランシスコだったそうです。しかし戦争を機に退去させられ、その後そこに中国人が入り、現在の中華街になっているそうです。そこではブルースリーも住みカンフー道場を開いていました。

中国人も日本人も同じですが、国を飛び出し、自らの力で自らの人生を切り開こうとした人の多くはその土地に根付き、もちろん失敗した人もいるでしょうが大きく成功した人もいます。祖国に想いをはせる一方で、時には旧来の固定概念を否定しながらたくましく生きた人たちです。今祖国に住んでいる中国人や日本人と全く異なる人種に思えます。

中国の留学生については類型がありそうです。Globalに活躍するために自ら希望して海外に出たケースと、現在の中国の教育方法に疑問を感じた親が海外留学を進めたケースです。しかしきっかけはともあれ、いずれの場合も留学生そのものはオープンマインドで、周囲と明るく積極的に交流し、人脈や知識を得ることに貪欲です。どちらかというと生真面目で内向的な人が多い中国国内の一流大学の学生と全く違う印象を受けました。

祖国を離れて頑張る人たちに触れて、国や文化を大切にする一方で、それに縛られず個人として力を発揮し幸せを掴み取ることが大切だと思いました。

とてもいい刺激をもらいました。

異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養

中国の空港、ストレスフリーへ

休暇を前にして帰国しようと、南京の空港で並んでいてふと気が付きました。以前は中国の空港で並んでいると後ろから迫ってくる人のキャリーカートに足を小突かれてイラッとしていたものですが、最近それが、なくなった、とは言いませんが大幅に減ったと思います。

年配のおじさんやおばさんがやたらと前へ前へ進もうとして、前の人やスーツケースにゴツゴツ当ててきていました。日本人、一般常識がある人なら、自分のモノが人や人のモノに当たらないように気をつけますし、不注意で当たってしまうと謝ります。以前の中国人、もちろん人にもよりますが、そんなことはおかまいなしの人がたくさんいました。

私はそれがとても嫌で嫌で、やられてしまうとイライラして怒ってしまうので、年配の人の前はなるべく避けていました。不幸にも後ろに付かれてしまったら、スーツケースを壁にして不必要に前に出てこれないようにガードしたりしていました。私にとっては中国の空港ではそれが当たり前になっていました。

最近ではそれが大幅に減ったので、随分ストレスが少なくなりました。割り込みされないように常に見張っている必要もなくなってきました。私にとっては本当にありがたいことです。

中国人のマナーは劇的に向上してきたと思います。

日本で食べるより美味しく安い日本料理

中国のいろんな都市に日本料理屋さんがありますが、私の経験では大連の日本料理が一番美味しく、しかもとても安いです。他の都市に行くと地元の名物料理を食べるのが楽しみなのですが、大連では必ず日本料理を食べています。

私は大連に住んだことはないのですが、仕事や友人がいる関係で何度か行ったことがあります。日本人が多くいる中心部や開発区には美味しい日本料理屋さんが沢山あります。

友人によると、ひと頃に比べて日本人の数が激減して、日本料理屋さんの経営が苦しくなってきたそうです。各店は生き残りをかけて料理の味を磨き、地元の新鮮な海産物を使うなどコストの抑制も進めてきたそうです。そういう競争を勝ち抜いて繁盛している店は、日本で食べるより美味しく安いと実感します。

大連に行く機会がある方は是非日本料理を試してみて下さい。その美味しさと安さに感動されることと思います。

外国人のリスク

社会が急速に発展してすごく住みやすい環境に変わってきた中国ですが、外国人にとってはまだ難しい部分があります。現在困っているのは新幹線のチケットの購入です。中国人はネットで予約して身分証をかざすだけでOKですが、外国人にはそれができません。

アプリを使って予約まではできます。でもチケットを受け取るには発券所の窓口に並ばないといけません。自動発券機にパスポートの表示がありますが使えません。中国の駅は広くて発券所が遠くにあったり、中国人で並ぶ人はその場で列車を確認しながら購入したりするので、場合によっては非常に長い時間かかります。

だから私は出発の一時間前には駅に行くようにしています。

先日中国人の同僚たちと出張した際に悲劇は起こりました。大連から長春に移動するために朝の新幹線を予約して、タクシーで駅に向かったのですが、通勤ラッシュで大渋滞。同僚には外国人はチケット購入手続きが必要、余分な時間がかかるから早めに着きたいと伝えていたのですが、結局駅に着いたのは発車10分前。同僚たちは直接身分証で入れるので間に合うのですが私が間に合わない。同僚が駅員さんに強く交渉してくれたのですが、当然ダメなものはダメ。停車駅の関係で二時間後の列車に乗ることになってしまいました。

いずれは外国人にも便利な仕組みに変わっていくと思いますが、今のところはリスクを想定した行動を心がける必要があります。

メモ書きに簡体字を使う(★★★)

IT技術が進んだ現代では文字を書くことが極端に少なくなりました。AI翻訳等のソフトウェアや携帯等のハードウェアの技術も飛躍的に発達してきたので、人間はもう文字を書く必要はなくなるのではないか?といった議論も真剣にになされるようになってきました。

しかし、残念なことに私たちが目標とするHSKの試験には、依然として手書きの作文問題があります。文字が書けないと話になりません。ということで、我々は当面は字を書くことから解放されることは諦めて、しっかり書き取りの練習もする必要があります。

まあそれは目先の条件ですが、特に漢字のような形が意味を持つ文字は、書いてこそその背景にある文化や歴史が理解できるものだと思いますし、何より美しいので書いて楽しいものです。

そこでおススメなのが、メモをとる際に漢字の部分を全て簡体字にする方法です。もちろん全てを中国語にできるならそれに越したことはないですが、まずは漢字の部分だけでも十分だと思います。

簡体字は漢字を書き易いように大胆に変更した字体ですから、素早くメモを取るには最適です。中国語を勉強している人の中には自然にやっている人も多いと思います。また、大きく崩した文字は日本人には分からないものもあるので、機密管理にも有効です。(これは言い過ぎですかね?)

問題は、簡体字に慣れ過ぎると、元の日本語の漢字が分からなくなることです。私ももはや出てこない日本の漢字が結構たくさんあるような気がします。ただ、我々日本人は日本語のテストは受ける必要がなく、今後日本語の文字を書く機会はどんどん減ってくると思われるので、多少は忘れてしまっても良いかもしれません。(?)

ちがいがわかる対照表 日本の漢字 中国の漢字 第2版

冗長な日本語を直訳しない(★★★★)

日本のビジネスのやり取りは他の国の人からみるとビックリするほど冗長です。日本人的にはマナー上全て必要な言葉のように思えるのですが、外国人、特に何事にも直接的な中国人は、何故そんなに長々と重要でないことを書くのだろうと思っているようです。

日本語「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。先日ご提示頂きました価格についてお返事させて頂きます。本社に持ち帰り関連部門と担当役員と慎重に検討致しましたが、当社の得る利益を鑑みますと大変残念ながら受け入れるのは難しいという結論に至りました。ご多忙のところ誠に恐縮ではございますが、今一度再考の上ご譲歩の余地がないかご検討下さいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。」 

中国語「这个价格难以接受,请让步。」

日本語「この度は当社のために寛大なる譲歩をして頂き、社長共々心より感謝しております。本当にありがとうございます。今後とも末永くお付き合いのほど、よろしくお願いします。」 

中国語「谢谢你们做出的的让步」

中国で仕事をしていると中国のビジネス環境に慣れてきて直接的になってきます。日本人の、特に冗長な文章を好む人の連絡は、オブラートに包まれたように曖昧で間接的、そして無駄に長くて、何が要点か分かりにくく感じてきます。もちろんそれをそのまま中国語に直訳してもサッパリ意味が通じませんので、中国語でコミュニケーションする際には、日本人的には大胆過ぎると感じるくらい直接的な表現にすべきだと思います。

しかし、一方の中国語の連絡文も直接的過ぎて、思わず笑ってしまうほど素っ気ないです。決して無礼なわけではないですが、用件のみ伝えたらそれで終わり。少しはエモーショナルな文章があった方が気分良く仕事ができるのに、と思うことがよくあります。

日本人と中国人のビジネス文章、足して二で割ったら丁度いいのに、といつも思います。

流行言葉の使用(★)

近年中国でも若者の流行言葉が増えて、微信のチャット等で使われているのを見ると面白いです。ただ、外国人が使用するのはかなり難しく、場合によっては不快な印象を与える懸念があるので、一般の中国語を使う方が感じが良いのではないかと思います。

「不要→表」「好的→好滴」「过奖→果酱」「超级开心→炒鸡开心」「没有→木有」等々、面白いというか可愛いというか、微笑ましい気持ちになります。ただ、これらはあくまで流行言葉なので、いくつか残るものはあったとしても変わっていったりなくなったりするものが多い筈です。外国人は中国に永住する人でない限り、流行言葉をずっと追いかけられる訳ではないので、いつの日か「なにそれ?」となってしまいます。実際上記の言葉も今ではやや古いそうで、使っていると年齢がばれてしまう類のものだそうです。

また、十分にニュアンスが分からない外国人が流行言葉を使うと異様な感じになってしまうことがあると思います。日本にいる外国人が場にそぐわない流行言葉をいきなり発したらどういう感じか、想像したら分かると思います。女子高生が使うような流行言葉をしゃべって得意気な外国人と、苦笑いの日本人、想像するだけで息苦しい場面です。

外国人としては、流行言葉は聞いて楽しむだけに止め、汎用語の習得・研鑽に努めましょう。

日本的ニュアンスで使える中国語(★★★★★)

中国語と日本語で漢字の意味が違ったり、意味が同じでもニュアンスの違いで使い方が難しかったりする言葉には注意が必要です。一方で、調べてみると日本的ニュアンスでそのまま置き換えて使える言葉も結構あるようです。

「大丈夫?」は「没事吧」、「また今度」は「改天吧」、「やめておくよ」は「算了吧」、「結構です」は「不用了」、「本当?」は「真的啊」、「まさか」は「不会把」などなど。

中でも個人的に「これは使える!」と感動したのは「有点那个」です。日本語の「ちょっとアレだから」の意味でそのまま使えます。

面白いと思ったのが「完了」です。動詞と合せて動作が完了したことを表す他、単独で使ったら文字通り「終わった」と使えます。よく失敗したりした際に「あー終わった終わった!」と言いますが、中国語では「完了完了完了」で置き換えられます。

何事もストレートに表現することが多いお国柄なので、間接表現が多い日本語との類似点は多くはないですが、いくつかはあります。日本人には使い易い表現なので、たくさん発掘して覚えていきたいものです。

変な中国語を正す(★★★★)

過去数十年に渡って中国にある変な日本語を見付けて笑ったりしていましたが、近年日本への中国人観光者が増えるにつれ、変な中国語が爆発的に増えています。もはや人のことは言えません。直ぐに正していきたいものです。

中国のメディアで紹介されていた例では、観光地のお寺で「ここから上がらないで下さい」→「请不要紧张」、これでは「緊張しないで下さい」です。また、お店で「先に会計を済ませて下さい」→「请先弄完会计」、これでは「先に会計担当者をやっつけて下さい」です。

飲食店のメニューで「豚肉ホルモン」を「猪肉大肠癌」、「豚肉大腸ガン」です。「山かけうどん」を「山药你该骄傲」、「山芋よ、誇りを持て」です。(これはひょっとして意図的かも?)シャレにならないのが「菜の花」→「强奸花」。自動翻訳を使って日本語→英語→中国語とやったそうですが、菜の花の英語はRape blossoms、それをそのまま中国語にしたそうです。

変な中国語表記ができる理由は、精度の低い無料翻訳ソフトの使用やそもそもの日本と中国の漢字の意味の違いが多いようです。不勉強な人が中文を作成する際には必ずネイティブチェックを入れるべきです。

変な中国語は見付けて笑っている場合ではなく、わざわざ日本に来られた人を不快にさせないために即刻修正しないといけません。私レベルの学習者が見ても何かおかしいと感じるものが多々あります。有識者の皆さんは見付けたら是非言ってあげるようにしましょう。

英語混じりの愉快な流行り言葉

以前は英語を学んだ中国人が外国人に英語で話すと、Did you eat breakfast吗?などと文末に中国語が混ざったりして、Chinglishだとからかわれていたものです。しかし最近では中国語と英語を混ぜた表現が流行り言葉として現れてきました。

元々中国人は、外来語を表音表意いずれかの方法で中国語的に取り入れてきました。しかし近年の経済発展やグローバル交流の増加に伴って外来語が大量に入ってきて、中国語変換を諦めて?英語のまま使ったり、面白がって混ぜて使ってみたりすることが増えてきました。

「打call」応援するという意味で、例えば好きなアイドルを応援するために一斉に叫んだりするコールのことを指します。これは日本のライブ文化から来ているようです。我给你打call などのように使われています。

「out了」時代に遅れていることを指すそうです。你非常out了。「p图」写真を加工修正することだそうで女性たちがよく使っているようです。

「〜ing」日本語的に言えば「〜なう」です。「幸福ing」「伤心ing」のように使っています。面白いのが「养眼ing」イケメンや美女を見て目の保養中ということだそうです。「fighting!」などと、英語は英語ですが、実は勝手に自分たちの用語に変えてしまっているのでは?と思われるものにも出くわします。

私のお気に入りが「母胎solo」、生まれてこの方彼氏/彼女なしという意味だそうです。母胎からというのに恐れ入りました。

恐らくHSKなどの試験には何の役にも立たないと思いますが、チャットなどで交流する際に楽しく使えます。これらもどんどんこういった愉快な新語が出てくると思いますので、楽しみにしています。

挨拶の概念の違いを理解する(★★★★)

中国で仕事や生活をした人は、中国人は日本人ほど挨拶をしないことに気付かれると思います。日本人なら朝人に会えば「おはようございます」、ご飯を食べる前には「いただきます」、人に会ったり打ち合わせをしたりしたら「よろしくお願いします」、初めて会う人には「初めまして」等々、たくさんの挨拶の習慣があります。

中国にももちろん挨拶はありますが、日本ほど多くはなく、日常的にはほとんど言わないのが普通です。あまり挨拶をされると返ってよそよそしく感じたりするようです。挨拶なしにいきなり話に入るくらいが親しいと感じられるようです。

そのような習慣の違いから、日本語的な挨拶言葉で、中国語でも存在はするけど日常生活や仕事でほとんど使わないものがあります。

まずは「请多关照」、「よろしくお願いします」ですが、日本人のように常用連発することはなく、かなり改まったビジネスシーンで使うもののようです。連発されると中国人はなんだか距離を感じてしまうようです。「初次见面」、「初めまして」ですがこれもほとんど使わないようです。

よくよく聞いていると意外と使われていないのが「早上好中午好晚上好」、中国語の教科書に必ずあるので、日本人的には使ってみたい気がしますが、中国人同士で使っている場面に遭遇したことがありません。代わりによく聞くのは、朝なら「早」、昼や夜は「吃饭了吗?」くらいなものです。

日本人のマナーや礼儀は高く評価されています。私は外国にいても日本人は日本人らしく振舞うべきだと思っています。外国に住んだらその国にかぶれて日本的なものを全て否定するような人もいますが、それには全く賛同できません。ただ、中国なら中国で、相手側にも習慣や考え方がありますので、それを理解した上で交流するのが上手なコミュニケーション、効果的な言語の習得に繋がると思います。

日本語の特異性を理解する(★★★★)

日本語は非常に細やかで曖昧な言語だと思います。ほんのわずかな表現の差で微妙な意味を伝えます。それに対して中国語を含む多くの外国語は意味を伝えることが最優先で、表現がストレートです。それを理解しておかないと思わぬ行き違いが生じます。

日本語は、まず直訳困難な表現が多いです。例えば「恐れ入ります」とか「お邪魔します」。これらは多くのニュアンスを含んでいて、直訳では伝わりません。

そして敬語。尊敬語と謙譲語と丁寧語を外国語で表現するのはかなり無理があります。

そして語尾のニュアンス。「分かります」「分かるよ」「分かるけど」「分かるもん」などの語尾にはニュアンスがあるので、これらも直訳が難しいです。

そして複数の異なる意味を持つ言葉。「いいです」「すみません」「けっこうです」「どうも」「一応」等々。これらは状況が分からないと何を伝えたいのか分かりません。

我々日本人は、そういう言語を背景にしているのだということを認識することで、外国人とのミスコミュニケーションを少なくすることができると思います。

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日本人のコミュニケーションスタイルを理解する(★★★★★)

外国人との接点が少ない人には理解し難いかもしれませんが、日本人のコミュニケーションスタイルはグローバルでみるとかなり特殊です。それを自ら理解しておくことで、外国人とうまくコミュニケーションがとれるようになります。

特殊なのは主に二つ、ハイコンテクストと話の順序です。

コンテクストとはコミュニケーションの基盤である言語・共通の知識・体験・価値観・ロジック・嗜好性などのことです。この共通性が高いことをハイコンテクストといい、日本はそれに当てはまります。所謂「以心伝心」のスタイルです。

中国もアメリカなどと比べるとコンテクストは高いそうですが、日本ほどではありません。簡単な意思表示で全て伝わると思わず、はっきり言葉にして説明する必要があります。「そんなの言わなくても分かるでしょ?」は日本の中だけにしておいた方が無難です。

もう一つは話の順序です。日本人は背景から入って理由や依拠を長々と説明して、最後に結論です。人によっては結論がない場合もあります。これが、「日本人は何が言いたいのか分からない」と指摘されることに繋がります。外国人と交流する際には、あまりにビジネスライクで無味乾燥にならない程度に、結論をはっきりと早いタイミングで述べるようにした方が良いと思います。

グローバルコミュニケーションでは相手の言語や習慣を理解することが重要ですが、同じく自分のスタイルをしっかりと理解しておくことが大切だと思います。

愛すべき老中国:お金の扱い世界一

キャッシュレスが進み現金を見ることが次第に少なくなってきました。いろんな国で仕事をしてきた私ですが、お金の扱いは昔の中国が一番酷かったと思います。

何が酷いかというととにかく紙幣が汚いのです。グチャグチャに丸めて握ってポケットに突っ込んだりするので、皺くちゃというかもはや紙団子。屋台の人たちが料理しながら触るので油でベトベト。それを汚れた手で何人も触るから真っ黒。メモや落書きもそこら中に。半破れもたくさん。触るのも財布に入れるのも嫌な紙幣がたくさんありました。

しかも、それを後生大事に綺麗にして持っていて、いざ店で使おうとするとなんと偽札。眺めたり何やらどんな機能なのか分からない機械に突っ込んで、偽札だと突き返されたりしていました。

今よりも人民元がずっと安く、物価も安かったこともあり、お金の価値というものがとても低く感じられて、出張が終わると余った元を中国人の同僚に全部あげて帰ったりしていました。

今では現金を見ることはあっても、あんなにくたびれ切った紙幣に遭遇することはほとんどありません。キャッシュレス万歳ですが、たまに紙幣を見ると愉快だったあの頃を思い出して懐かしいです。

漢字を使う国の人同士

漢民族を主な民族とする国以外で、漢字を日常的に使用しているのは日本だけです。古くはベトナムや韓国、北朝鮮も漢字を使っていましたが、ベトナムは識字率の向上のため、朝鮮半島ではハングルの発展に伴い、ほとんど使われなくなったそうです。

実は日本でも漢字の廃止を検討した時期があったそうです。しかし「漢字を廃することは、字が背負っている文化を捨てること、大きな損失になる」ということで却下されたそうです。それ以降、日本人は漢字文化を大切に守り、発展させてきました。同時に、アルファベットなど西洋の言語文化も柔軟に吸収して「日本語化」してきました。

そのような経緯を経て、現代の日本人は漢字を愛していると言って良いと思います。漢字文化はもはや日本の文化や魂だと認識されていると思います。

時代を経て変化してきたとはいえ同じ漢字文化、日本人と中国人は他の国の人よりも基本的な考え方が似通っていて分かり合い易い筈です。中国で生活しているとそう実感することが度々あります。

政治やメディアの影響で互いに歩み寄れない時代が続いていますが、同じ文化を持つ人同士、そろそろもっと素直に付き合い始めても良い時期だと思います。

中国語母語話者のための漢字語彙研究 ―母語知識を活かした教育をめざして

モンゴル族は語学力が高い?

内モンゴル自治区出身のモンゴル族の知人がいますが、中国語はもちろん、日本語も上手です。青年期までほぼモンゴル語だけを使用し、大学に入ってから中国語を勉強したそうですが、すぐに習得できたそうです。もちろん、今では中国語環境で生活しているからというのもあり、中国語のコミュニケーションには全く問題がありません。

日本語は仕事の関係で1年ほど東海地方に滞在したそうですが、これもすぐに習得したそうで、日本語で会話しても大きな違和感を感じません。そういえばモンゴル出身の力士は来日して比較的早いタイミングで日本語を流暢に喋っています。

彼曰く、理由はモンゴル語の発音のバラエティーの多さにあるそうです。モンゴル語の発音の種類は中国語よりも多いので、モンゴル族にとっては中国語を話すのは簡単で、話せて使っているとすぐに習得できるそうです。中国語よりずっと発音が少ない日本語だと更に簡単、しかもモンゴル語と日本語は文法が似通っているそうなので、最も習得しやすい言語の一つのようです。中国語の発音が簡単にできるなんて、日本人にとっては羨ましい限りです。

しかし、オリジナルのモンゴル語は消滅の危機に陥っているそうです。モンゴル国で使われているモンゴル語は歴史の変遷の中で変わってきて、今ではロシア語と同様のキリル文字が使われており、オリジナルのものとは違います。オリジナル版は今では内モンゴル自治区の一部のモンゴル族でしか使われておらず、文化や風習が漢族と同化されると共に使う人がどんどん減っているそうです。「満州文字のように消滅してしまうのはとても残念、何とか繋いでいきたい」とのことでした。

内モンゴルのモンゴル族の間で流行っている歌を聞かせてもらいました。歌詞は全て縦に流れるような美しいモンゴル語で書かれていて意味は全く分かりませんでしたが、壮大で少し物悲しい曲調に、モンゴルの壮大な草原を想起させられました。

モンゴル語のしくみ

恐怖の偽中国語(★★★★)

最近「偽中国語」なるものが出回っています。「今日仕事大失敗我全力謝罪。上司非常立腹結果給料減額。残念残念!」みたいな、中国語であるかのように漢字を使っているけど、その実完全に日本語であるものです。中国語ができない日本人がなんとかコミュニケーションしようと筆談をするものと同じです。中国語学習者にとってはこれが非常に危険であることが分かりました。

偽中国語は意外にも中国人にかなり通じます。微信でチャットしてみるとほぼ普通に会話ができます。さすがは同じ漢字の国の住人です。普通の人でも6割以上、日本語に心得がある人ならほぼ全て分かるようです。ただコミュニケーションするだけならこれもアリかなと真面目に思ったりします。

ただ、問題はこの作文が非常に面白いことです。自分で書いてみて思わずニヤリとするような秀逸な(?)表現ができたりして、面白くてやめられなくなります。相手の中国人の方にも影響が出てくるようで、「私の中国語が変になるからもうやめて下さい!」と言われました。これを続けていると完全にクセになってしまい、真の中国語になかなか戻れなくなってしまいます。

中国語学習者には偽中国語の甘い誘惑に乗らない方が良いと思います。「貴方全力回避偽中国語的誘惑!」

NHKテレビ中国語は経験者にも有益(★★★★)

帰国して久し振りに撮りだめたNHKテレビ中国語を見てみました。初心者の頃はこれで勉強するという意味合いが強かったですが、ある程度経験を積んだ今でも、復習のツールとしてとても良いことが分かりました。

私などは特にそうですが、学習の際に大体分かったら細かい部分は確認せず、流してしまっていることが沢山あります。その結果「なんとなくこうだと思うけど・・」と曖昧で確信が持てない言葉や言い回しが沢山あります。HSKの文法問題などにあたると解答に確信が持てないものが沢山あります。NHK講座は基本に忠実に作られていますし、出演している日本人に教えていくというスタイルがとられているので、特に日本人が間違え易い部分を丁寧に教えます。

しかも気軽に見流すことができます。学習経験者にとっては簡単な内容なので、テキストを購入して、目を凝らしてメモを取りながらガッチリ見るような必要はなく、ぼーっと眺めていて、自分の理解が不足していたり間違えていたりするところがあれば、ちょっと集中して見れば良いだけです。お酒を飲みながら見るとなかなか楽しかったです。

ただしさすがに上級者には簡単過ぎて物足りないかもしれません。初級から中級レベルの人、あるいは以前せっかく勉強したのに忘れてしまっている人などにお勧めです。

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