中国で仕事や生活をした人は、中国人は日本人ほど挨拶をしないことに気付かれると思います。日本人なら朝人に会えば「おはようございます」、ご飯を食べる前には「いただきます」、人に会ったり打ち合わせをしたりしたら「よろしくお願いします」、初めて会う人には「初めまして」等々、たくさんの挨拶の習慣があります。
中国にももちろん挨拶はありますが、日本ほど多くはなく、日常的にはほとんど言わないのが普通です。あまり挨拶をされると返ってよそよそしく感じたりするようです。挨拶なしにいきなり話に入るくらいが親しいと感じられるようです。
そのような習慣の違いから、日本語的な挨拶言葉で、中国語でも存在はするけど日常生活や仕事でほとんど使わないものがあります。
まずは「请多关照」、「よろしくお願いします」ですが、日本人のように常用連発することはなく、かなり改まったビジネスシーンで使うもののようです。連発されると中国人はなんだか距離を感じてしまうようです。「初次见面」、「初めまして」ですがこれもほとんど使わないようです。
よくよく聞いていると意外と使われていないのが「早上好中午好晚上好」、中国語の教科書に必ずあるので、日本人的には使ってみたい気がしますが、中国人同士で使っている場面に遭遇したことがありません。代わりによく聞くのは、朝なら「早」、昼や夜は「吃饭了吗?」くらいなものです。
日本人のマナーや礼儀は高く評価されています。私は外国にいても日本人は日本人らしく振舞うべきだと思っています。外国に住んだらその国にかぶれて日本的なものを全て否定するような人もいますが、それには全く賛同できません。ただ、中国なら中国で、相手側にも習慣や考え方がありますので、それを理解した上で交流するのが上手なコミュニケーション、効果的な言語の習得に繋がると思います。