内モンゴル自治区出身のモンゴル族の知人がいますが、中国語はもちろん、日本語も上手です。青年期までほぼモンゴル語だけを使用し、大学に入ってから中国語を勉強したそうですが、すぐに習得できたそうです。もちろん、今では中国語環境で生活しているからというのもあり、中国語のコミュニケーションには全く問題がありません。
日本語は仕事の関係で1年ほど東海地方に滞在したそうですが、これもすぐに習得したそうで、日本語で会話しても大きな違和感を感じません。そういえばモンゴル出身の力士は来日して比較的早いタイミングで日本語を流暢に喋っています。
彼曰く、理由はモンゴル語の発音のバラエティーの多さにあるそうです。モンゴル語の発音の種類は中国語よりも多いので、モンゴル族にとっては中国語を話すのは簡単で、話せて使っているとすぐに習得できるそうです。中国語よりずっと発音が少ない日本語だと更に簡単、しかもモンゴル語と日本語は文法が似通っているそうなので、最も習得しやすい言語の一つのようです。中国語の発音が簡単にできるなんて、日本人にとっては羨ましい限りです。
しかし、オリジナルのモンゴル語は消滅の危機に陥っているそうです。モンゴル国で使われているモンゴル語は歴史の変遷の中で変わってきて、今ではロシア語と同様のキリル文字が使われており、オリジナルのものとは違います。オリジナル版は今では内モンゴル自治区の一部のモンゴル族でしか使われておらず、文化や風習が漢族と同化されると共に使う人がどんどん減っているそうです。「満州文字のように消滅してしまうのはとても残念、何とか繋いでいきたい」とのことでした。
内モンゴルのモンゴル族の間で流行っている歌を聞かせてもらいました。歌詞は全て縦に流れるような美しいモンゴル語で書かれていて意味は全く分かりませんでしたが、壮大で少し物悲しい曲調に、モンゴルの壮大な草原を想起させられました。