日本の略体字と中国の簡体字では漢字が異なります。一眼見て違いが分かるものは意識して覚えれば良いのですが、問題は超微妙に違う漢字です。一眼見て違いに気付かず、知っている文字だと思い込んでそのまま日本の漢字を使い続けてしまうリスクがあります。
微妙に違う漢字としては愛とか徳など。爱と德です。中が違う字だったり線が一本多かったり。しかしこのレベルならパッと見てなんとなく違和感を感じて見直す可能性が高いと思います。
問題は超微妙に違うものです。歩とか毎とか。それぞれ步、每です。骨も上部が違います。このレベルになるとパッと見て気付かず流してしまう可能性があります。特に老眼の人にとっては罰ゲームみたいなもので、虫眼鏡か何かを使わないと見えません。近年文字を手書きすることはほとんどなくなったから覚えなくてよいと開き直っても良いのですが、HSKを受ける人にとっては作文があるのでやはり覚えなければなりません。中国語の先生に「そんな細かいところは減点の対象にならないのでは?」と聞いてみたのですが、その先生は「減点されるのできちんと覚えるように」ということでした。
潔く諦めて虫眼鏡片手に頑張りましょう。
絵文字は便利です。日本人が使い始めLINEで有用性が広く知れ渡り、今では世界中で様々な文章やアプリなどで使われています。言葉では表現するのが難しい感情やニュアンスを視覚的に一瞬で伝えてくれます。中国のWeChatにも多種多様な絵文字があり増え続けていて、ほとんど絵文字だけでチャットができたりします。特に中国語が下手な外国人には強い味方、言葉が出てこない時や表現や文字の選択に自信がない時などには絵文字で意思を伝えることができます。和やかな柔らかい雰囲気も作り出せて友達同士のやり取りには使い勝手がいいです。
しかし中国語を上達させたいのなら絵文字に頼るのは危険です。メリットの裏返しで、絵文字に逃げ、文章表現を考えなくなって語学力は低下します。語学学習者としては絵文字に慣れ切ってしまってはいけません。
とはいえ、表現力が乏しいままいきなり絵文字を完全に封印してしまうと単なる無愛想な人になってしまうので、意識的に少しずつ減らしていくのが良いと思います。絵文字を使わずに感情やニュアンスを伝えるのは思いの外難しく、いろんな文章表現を調べることになります。それらを順次覚えて使用していくことで表現力を上げていきます。
とてもいい勉強になります。是非試してみて下さい。
日本のビジネスのやり取りは他の国の人からみるとビックリするほど冗長です。日本人的にはマナー上全て必要な言葉のように思えるのですが、外国人、特に何事にも直接的な中国人は、何故そんなに長々と重要でないことを書くのだろうと思っているようです。
日本語「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。先日ご提示頂きました価格についてお返事させて頂きます。本社に持ち帰り関連部門と担当役員と慎重に検討致しましたが、当社の得る利益を鑑みますと大変残念ながら受け入れるのは難しいという結論に至りました。ご多忙のところ誠に恐縮ではございますが、今一度再考の上ご譲歩の余地がないかご検討下さいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。」
中国語「这个价格难以接受,请让步。」
日本語「この度は当社のために寛大なる譲歩をして頂き、社長共々心より感謝しております。本当にありがとうございます。今後とも末永くお付き合いのほど、よろしくお願いします。」
中国語「谢谢你们做出的的让步」
中国で仕事をしていると中国のビジネス環境に慣れてきて直接的になってきます。日本人の、特に冗長な文章を好む人の連絡は、オブラートに包まれたように曖昧で間接的、そして無駄に長くて、何が要点か分かりにくく感じてきます。もちろんそれをそのまま中国語に直訳してもサッパリ意味が通じませんので、中国語でコミュニケーションする際には、日本人的には大胆過ぎると感じるくらい直接的な表現にすべきだと思います。
しかし、一方の中国語の連絡文も直接的過ぎて、思わず笑ってしまうほど素っ気ないです。決して無礼なわけではないですが、用件のみ伝えたらそれで終わり。少しはエモーショナルな文章があった方が気分良く仕事ができるのに、と思うことがよくあります。
日本人と中国人のビジネス文章、足して二で割ったら丁度いいのに、といつも思います。
最近「偽中国語」なるものが出回っています。「今日仕事大失敗我全力謝罪。上司非常立腹結果給料減額。残念残念!」みたいな、中国語であるかのように漢字を使っているけど、その実完全に日本語であるものです。中国語ができない日本人がなんとかコミュニケーションしようと筆談をするものと同じです。中国語学習者にとってはこれが非常に危険であることが分かりました。
偽中国語は意外にも中国人にかなり通じます。微信でチャットしてみるとほぼ普通に会話ができます。さすがは同じ漢字の国の住人です。普通の人でも6割以上、日本語に心得がある人ならほぼ全て分かるようです。ただコミュニケーションするだけならこれもアリかなと真面目に思ったりします。
ただ、問題はこの作文が非常に面白いことです。自分で書いてみて思わずニヤリとするような秀逸な(?)表現ができたりして、面白くてやめられなくなります。相手の中国人の方にも影響が出てくるようで、「私の中国語が変になるからもうやめて下さい!」と言われました。これを続けていると完全にクセになってしまい、真の中国語になかなか戻れなくなってしまいます。
中国語学習者には偽中国語の甘い誘惑に乗らない方が良いと思います。「貴方全力回避偽中国語的誘惑!」
簡単な文章が書けるようになったら微信やメールで中国語を使うことをお勧めします。言語はコミュニケーションツール、ゼロから積み重ねてきた努力がようやく実践で活用できるレベルに到達です。まずは微信のチャットが単語や短文で気軽に開始できるので良いと思います。覚えた言葉を少しずつ織り交ぜながら中国人とチャットをするのは楽しいものです。この段階で発信することには特に注意点はないですが、返信でもらったネイティブの文章や表現が参考になるので、覚えて自分でも使ってみるのが面白いでしょう。参考になる表現はコピーしてストックしておくことをお勧めします。次にもう少し長い文章を作成するメール。文法や単語の用法に気を付けながら文章を作成して発信します。微信よりレベルが高く深いコミュニケーションをするので難度が高いですが、その分達成感があります。ただ問題は正しい文章ができているのかどうか分からないことです。文章表現が多少おかしくてもネイティブには何が言いたいか分かるので、相手への気遣いもあり間違いの指摘はしないのが一般的です。我々日本人が、外国人が頑張って使った日本語が間違っていても意味が分かれば間違いはあまり指摘しないのと同じです。この状態では中国語(みたいなもの)を我流で書いているだけで進歩しません。なので、常に自分の文章はおかしいかもしれないということを前提に、間違いがあったら指摘してくれるようにお願いしておくことが大切です。コミュニケーションする全員にお願いするのは非効率ですから、一人で良いので親しい人に、たまにチェックをお願いすることをお勧めします。
私は中国人との仕事でのメールでは基本的に中国語を使っていますが、恥ずかしながら間違いだらけです。また、返信が遠慮なく高度な中国語で来るので解読して返信するのに時間がかかります。周囲に多大なる迷惑をかけていることを自覚しつつ、誰かに止めろとたしなめられるまではしつこく続けるつもりです。
PCや携帯が発達して手で文字を書くことが少なくなってきました。日本の漢字ですら怪しくなってきた人もいるのではないでしょうか?漢字は象形文字なので絵のようなイメージで右脳で覚えられるという利点がある一方で、正確に書こうとすると意外に書けないものです。賛否両論あるかとは思いますが個人的には手書きの練習を積んだ方がしっかり覚えられると思っています。特に注意が必要なのは日本の漢字とイメージは同じだけど詳細が微妙に違うもの。書いてみてはじめて違いがあることに気が付くというケースが多々あります。対と对、変と变、辺と边、査と查などですね。手書きで文章を書くというのは時間がかかるので短時間で効率よく学習したい人には難しいと思いますが、最低1回はどの漢字も手で書いて書いてみることをお勧めします。分かっていたつもりなのに書いてみるとアレ?という気付きが必ずあります。そして手で書いて認識した「ああ、ここが違うんだな」という手で覚えた記憶は結構しっかりと残ります。また、書いてみると簡体字の工夫している点が実感できて面白かったりします。
因みに中国本土の漢字は簡体字、台湾などで使われている元々の漢字は繁体字ですが、日本で使っているのは略体字というそうです。
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