中国語の原書で本を読むのはハードルが高いという人には先にストーリーを知ってから読むことをお勧めしています。国際的に話題になった「地球往時」三部作、第一部の「三体」に続いて第二部の「黒暗森林」の日本語Kindle版が発行されているのでお知らせします。
「三体」は原書で読み始めて途中で挫折して日本語版を読みました。「黒暗森林」は日本語版が出るまでに原書を読んでおこうと思っていましたが、知らぬ間に出ていました。実は私はまだ読んでいないのですが取り急ぎ紹介しておきます。
中国語の原書で本を読むのはハードルが高いという人には先にストーリーを知ってから読むことをお勧めしています。国際的に話題になった「地球往時」三部作、第一部の「三体」に続いて第二部の「黒暗森林」の日本語Kindle版が発行されているのでお知らせします。
「三体」は原書で読み始めて途中で挫折して日本語版を読みました。「黒暗森林」は日本語版が出るまでに原書を読んでおこうと思っていましたが、知らぬ間に出ていました。実は私はまだ読んでいないのですが取り急ぎ紹介しておきます。
中国語の伸び悩みを打破するためにアウトプットを心がけていますがその一つに音読があります。「聴読中国語」という短文やエッセイが日本語訳付きで紹介されているテキストが私には最適だと思うので、これを毎日二三文読むことにしています。
DVDを聞いて読んでいるうちにだんだん慣れてきてかなり上達したのではないかと思ったので、試しに自分の声を録音して聞いてみました。すると、自分では正確に発生しているつもりが拼音の発音もアクセントもたくさん間違えていることに気付きました。
問題はその修正方法で、自分でDVDの音と同じように発音しているつもりで実際には正しくない訳ですから、何度も真似ることで多少改善はできても、正しい発音になっているか確信は持てません。拼音の学習法のところでも強調しましたが、発音は我流でやるべきではありません。間違った発音を一所懸命に練習して定着させてしまうと修正が効かなくなります。やはり一番良いのはネイティブの人に聞いてもらって訂正してもらうことです。
私は微信で朗読音声を送ってネイティブの友人にチェックしてもらっています。こうすればわざわざ会わなくても良いですし、ネイティブの人にとっては自国語の発音のおかしな部分を指摘するのはたやすいことなので、中国語の先生でなくても気軽にやってくれます。
独学も学習を集中的に進める上で大切ですが、発音については適宜ネイティブチェックを入れることをお勧めします。
中国では日本の作家の著作がたくさん読まれています。先ず日本語でストーリーを把握した上で中国語バージョンを読むとリーディングの訓練として取っ付き易いと思います。初見の本を辞書を片手に読み進めていくのはなかなか大変です。理解できない箇所が重なるとストーリーが分からず、分かってきても途中でつまらない話だと思うと継続意欲が失せてしまいます。ストーリーを知っている本なら、中国語で知らない単語や言い回しが出てきても推測で読み進められますし、内容に失望することなく継続できます。詰まったら日本語版を読み返して確認もできます。
中国で人気の日本人作家は、古い人でいえばノーベル文学賞作家の川端康成やその弟子の三島由紀夫。特に川端康成の「伊豆の踊子」はかつて中国で絶大な人気を誇った山口百恵の主演映画ということもあって、知名度が非常に高いそうです。近年でいえば同じくノーベル文学賞作家の大江健三郎、最も知名度が高いといわれる村上春樹、そして東野圭吾です。私の中国語の先生が村上春樹が大好きで、ノーベル文学賞を授与されないことに憤慨しています。代表作「ノルウェイの森」は中国国内で100万冊以上売れているそうです。東野圭吾は若い人中心に大人気です。新作が出るとすぐに中国語訳され、本屋で売り場の一角を占有しています。
{手へん那}威的森林(ノルウェイの森)(中国語) (村上春樹文集)
アニメも良いです。「ドラえもん」のまとめ読みがコスパも良くお勧めだという方がいらっしゃいました。中国では全45巻で300元ちょっとで購入でき、「こういう時はこの言い方をするんだ」という発見がたくさんあって読み始めると止まらなくなるそうです。
Doraemon (vol.1)(Chinese&English)
その他には、ハリーポッター。日本語版より中国語版の方が先に出版されたそうです。ドラゴンボールやワンピース。中国で人気が高く見つけ易い。名言もあり。スラムダンクやナルト。若い中国人と話す時のネタにもなりお薦めです。
以前中国語の読解力を上げるために適した中国の書物として「三体」を紹介しました。紹介したものの私自身は最後まで読破できた訳ではなく途中で挫折していました。挫折した理由というか言い訳として、ストーリーを知らない複雑な内容を中国語で読み解いていくにはパワーと根気が必要で、続かなかったと説明しました。しかし遂に日本語翻訳版が出てストーリーを把握できましたので、改めて中国語版を最後まで読む気力が蘇りました。
日本でも話題になっているようなのでご存知の方も多いと思いますが、三体は中国でもアメリカでも大ヒットし、アジア圏では初となるヒューゴー賞(最も優れたSF作品に贈られる賞)を受賞しました。
三体は地球往時と呼ばれる三部作の一作目にあたります。小説のタイトルは天文力学の「三体問題」からきています。内容を簡単に紹介しますと、文化大革命の頃の中国から話が始まり、物理学者の父を殺害された女性天体物理学者が宇宙にメッセージを発信します。次に場面は現代に移り、ナノマテリアルの専門家の男性のまわりで優秀な物理学者が次々と自殺する不可解な事件が起こります。専門家はその謎を突き止めようとしますが、自身の目にも謎のカウントダウンが見えるようになり困惑します。実は異星文明が持つテクノロジーに彼らのナノテクノロジーが深く関係していて、研究の妨害をしていることが分かってきました。事件を追いかけるうちに三体と名付けられたVRゲームに行き着きます。三つの天体の中では複雑な相互作用が起こって軌道が予測できず、その環境で生きることがどれだけ過酷かということが疑似体験されます。
それが第二部の「黒暗森林」、第三部完結編の「死神永生」へと続きます。現時点で第二部と第三部は日本語訳はされていませんが、英語版を読んだ方によると話がどんどん壮大に広がっていくそうです。
三体は2006年に発行されていて、第三部完結編は2011年に発行されています。発行して14年も経っているSFのストーリーが高評価を得て評判になっていることは驚きです。逆にいうと私も含め中国語ができない人は中国人よりも14年も遅れて知るということです。言語というのは新しい知識をタイムリーに得るための重要なツールであると、改めて思い知らされました。第二部・第三部は邦訳はまだ先のようなので、原書で読むことに改めて挑戦しようかと思っています。
日本語版の三体と中国語版三部作のリンクを貼っておきますので参考になさって下さい。
中国語にも大陸で使われている簡体字と主に台湾で使われている繁体字があります。私は大陸の簡体字の中国語を学んできました。一応簡体字が日本の略体字ではどの漢字なのか一通り覚えたつもりで学習を進めてきましたが、ある時台湾の繁体字の文章を見ると簡体語よりずっと分かり易いことに気が付きました。
繁体字の方が簡体字より略体字に近いですし、異なる繁体字でも以前日本で使われていたものがたくさんあります。分かり易いのは当然です。既に簡体字でまる覚えしている単語や文章は別としても、私は基本的には繁体字の文章の方が分かり易いと感じました。
そこでこれを利用して簡体字と繁体字の両方で書かれた同じ文章を読んでみることにしました。以前両方が書いてある買テキストを買っていたので、改めてそれを引っ張り出して読んでみました。すると簡体字では何となく曖昧な理解のまま読み流していた部分が、繁体字だとクリアに分かったりします。簡体字で覚えている単語も自分が明確に理解している漢字で見ると改めてハッキリと理解できたりしました。
お薦めの勉強法という程のものではないかもしれませんが、新たな気付きや理解を得る上で面白い方法ではないかと思います。
私くらいの中級レベルの人は、中国語の長い文章を読んでいると知らない単語や言い回しが出てくる度に詰まってしまい、それを調べたりしているうちに疲れてしまって、読むのをやめてしまったりします。私は長編の「三体」で挫折した経験があります。「三体」は中国で大ヒットしたサイエンスフィクションで、とても面白くて話にグイグイ引き込まれていきます。しかし面白い分難解な言い回しや専門用語が多く、度々詰まってしまいます。その度に調べていましたが疲れてしまって挫折、長期間放置した末にあらすじだけは知りたいと思い、最終的には斜め読みして終えたことにしました。
他にも数年前に着手して未だに完読できていない本があります。一旦中断してしまうと読む気が失せてしまうもので、最近では手に取ることもしなくなっています。
しかし、とにかく一度は長編を中国語で読破したいという思いがあるので、再度一念発起して「流浪地球」を読み始めました。「三体」と同じ作者が書いた作品で、映画化されて大ヒットしました。私は映画を見ていないので、映画の楽しみを最大化するために、事前に本でしっかりと理解することを目標にしています。これまでの反省から、違うアプローチをとることにしました。知らない言葉が出てきてもいちいち調べることはせず、放置して読み進めることにしました。そうすると、分からない部分がありながらも大意が掴めるので、次第にストーリーに引き込まれて、数時間没頭して読めるようになりました。そして分からない言葉は何度も出てくるものが多く、いろんな文章で見る度に前後の文脈から何となく意味が推測できてきます。そしてある程度読み進めたところで、戻って分からなかった言葉を調べると、推測してきたこともあってはっきり理解できることが多いです。後から謎解きをするような面白さも感じます。
このアプローチは私には非常に有効です。なんと言っても没頭して読み続けられるという、読書本来の楽しさを味わえることがいいです。楽しく読み進めている間は読むスピードや理解がだんだん速まることを実感しています。楽しめることが前提なので、ポイントはやはり自分が好きなジャンルの本を見付けることです。
中国語の文章を読む時に苦労するのが外来語の中国語表記です。特に欧米人の名前は難解でなぞなぞのように感じます。読む時だけでなく聞いてもよく分からないものが多いです。HSKの試験にもよく出てきます。HSKは世界中の人々が受験するので、典型的な名前のアメリカ人がよく登場するからです。
何か良い覚え方はないものかと成り立ちや法則を調べてみました。漢字による音訳、つまり表音表記が原則で、その場その場で適当に表記するのではなく、用いる漢字がほぼ決まっているそうです。新語の場合はメディアなどで使われ出したものが浸透していくイメージですが、一般には新華社通信の表記に従う例が多いそうです。また、「可口可乐」(コカコーラ)などの商標は、各企業が字義の好ましいものや商品イメージに近い漢字を定めて使用することが多いようです。ネットで調べたら英語仮名に対応する漢字のリストがあるにはありましたが、標準化されているとはいえかなりの数なので、これを覚えるのは大変だと思います。我々学習者は新語を作る側ではなく学ぶ側の人間なので、既存の一般的な言葉を覚えていくだけでいいと思います。以下に一般的な名前の漢字記述を紹介しておきます。これくらい覚えておけば少なくともHSKで困ることはないと思います。
●男性名: 『迈克尔(Màikè’ěr)マイケル(MICHAEL)』 『约翰(Yuēhàn)ジョン(JOHN)』 『詹姆斯(Zhānmǔsī)ジェームズ(JAMES)』 『罗伯特(Luōbótè)ロバート(ROBERT)』 『威廉(Wēilián)ウィリアム(WILLIAM)』 『大卫(Dàwèi )デイビッド(DAVID)』 『理查德(Lǐchádé)リチャード(RICHARD)』 『查尔斯(Chá’ěrsī)チャールズ(CHARLES)』 『约瑟夫(Yuēsèfū)ジョゼフ(JOSEPH)』 『托马斯(Tuōmǎsī)トーマス(THOMAS)』
●女性名: 『玛丽(Mǎlì)メアリー(MARY)』 『海伦(Hǎilún)ヘレン(HELLEN)』 『安娜(Ānnà)アンナ(ANNA)』 『伊丽莎白(Yīlìshābái)エリザベス(ELIZABETH)』 『詹尼弗(Zhānnífú)ジェニファー(JENNIFER)』 『艾米丽(Aimili)エミリー(EMILY)』 『琳达(Líndá)リンダ(LINDA)』 『玛格丽特(Mǎgélìtè)マーガレット(MARGARET)』 『帕特丽夏(Pàtèlìxià)パトリシア(PATRICIA)』
ここまで書いて改めて読みかけの大ヒット作「流浪地球」を見てみると、これら以外の名前がバンバン出てきます。やはりそう簡単には対策できそうにありません。中国人の知人からは「最初の2文字だけ覚えれば大丈夫」とアドバイスをもらいました。
あとは国名、都市名も覚える必要があります。こちらはネットで検索するといくらでも出てくるので、自分で一覧表を作って覚えるといいと思います。国名については、中国在住でスポーツ観戦が好きな人なら、テレビのスポーツチャンネルでサッカーやバレーボール、テニスなどの国際大会が頻繁に放映されるので、それを意識的に眺めていると結構覚えられます。
中国に慣れた人なら中国版ツイッターと言われる微博を使って情報収集や交流をするのも中国語に親しめて面白いと思います。微博について、以下ネット記事の編集引用です。
『weibo(ウェイボー)とは中国圏で最も大きなソーシャルメディアで漢字で書くと「微博」です。「微」は「ミニ」「博」は「ブログ」という意味です。すなわち「ミニブログ」のような形で投稿できるSNSサービスです。中国だけでなく、香港や台湾をはじめとして広いエリアで人気を集めています。2018年でユーザー数は個人アカウント約7.6億、企業アカウント数約200万です。ユーザーの年齢層については、全体のうち20代が占める割合が約60%と最も多く、次いで10代、30代の順、40代以降のユーザーは非常に少ないです。Weiboの基本機能はTwitterとFacebookの中間のようなものです。投稿に対してコメントやいいね、シェア、ブックマークが利用可能です。140文字で投稿ができテキストのほかに画像や動画を含めることも可能です。画像は一度に9枚まで投稿できる機能があります。パソコン・スマートフォンの両方からアクセスすることができるため、幅広いユーザーに使われています。1日平均約1.8億件の投稿がされていることからもわかるように、大量の情報が行き交っています。』(引用終わり)
私の周囲の中国人は有名人の動向やニュースなど情報収集に使っている人が多く、自分から情報発信している人は少ないようです。私の周囲にはいませんがビジネスに活用している人も多いようです。私自身は使いこなせているとはいえませんが、情報検索や投稿程度はできるので、下手な中国語を駆使しながら自分なりに楽しんでいます。良いのは自分が興味ある分野の生情報がリアルタイムで検索できるので、中国語を読むのに積極的になれることです。最近の流行り言葉なんかも分かるので、それを中国人の友人に使ってみたりするのも楽しいです。難点は広告や勧誘メッセージが多いことです。あまりに多くて煩わしいので新着の通知はオフにして使っています。使い方はフェイスブックやツイッター、インスタグラム等に精通している人には簡単だと思います。よりデープに中国を知りたい人には楽しいと思います。
読む力を身に付けるためにはもちろん文章を読むのが一番です。問題は読む気になれるか、継続できるか、ということです。
先ずは難度の問題。辞書を引きながら読むのは手間がかかるので先ずは知ってる単語が多い文章、ほとんど絵本のような子供が読む本を試してみました。うん、確かに読める。問題はちっとも面白くないことです。ではストーリーを知っている名作はどうか?知らない単語をストーリーを踏まえて想像で補いながら、これも読める。でも知っている話なのでやっぱり今ひとつ面白くない。そこで中国人の知人に文章が比較的平易で面白い本を紹介してもらいました。紹介してもらったのは「三体」、これは面白い!引き込まれました。
次の問題は集中力。そもそも日本語の本でも少し詰まると諦めて途切れてしまう。ましてや中国語、つまずきながら読むのでいちいち止まる。そんな感じで実は「三体」は二年前に読み始めたにもかかわらずまだ三分の一しか読めていません。そして加齢に伴い襲いかかる老眼の問題。近くが見え難くなると文章を読むのが本当に億劫になります。ハズキルーペで対策です。
そんな読む力が向上しているとはとても言えない状況ではありますが、それでも楽しく読み進めている間は読むスピードや理解がだんだん速まることを実感しています。いろいろ阻害要因はありますが、自分が好きなジャンルの本を見つけて腰を据えて熟読するのがやっぱり一番効果的だと思います。
例えば、中国でも東野圭吾さんの本は大人気で本屋に行けば必ず東野コーナーがあるので、ファンの方にはこちらがいいかもしれませんね。