中国人という概念?

これまで主に大陸の中国人とお付き合いしてきて、自分の中で「中国人とは」という概念を形成してきました。この度、アメリカのシアトルに行く機会があり、そこで過去に移住してきた中国人や現在の中国人留学生たちに触れて、一括りにして語ることは不適切だと思いました。

シアトルには1800年代後半から日本人が移住し始め、1900年初頭には現在のインターナショナルディストリクトに日本人街が形成されました。当時の日本人のアメリカへの2大移住先がシアトルとサンフランシスコだったそうです。しかし戦争を機に退去させられ、その後そこに中国人が入り、現在の中華街になっているそうです。そこではブルースリーも住みカンフー道場を開いていました。

中国人も日本人も同じですが、国を飛び出し、自らの力で自らの人生を切り開こうとした人の多くはその土地に根付き、もちろん失敗した人もいるでしょうが大きく成功した人もいます。祖国に想いをはせる一方で、時には旧来の固定概念を否定しながらたくましく生きた人たちです。今祖国に住んでいる中国人や日本人と全く異なる人種に思えます。

中国の留学生については類型がありそうです。Globalに活躍するために自ら希望して海外に出たケースと、現在の中国の教育方法に疑問を感じた親が海外留学を進めたケースです。しかしきっかけはともあれ、いずれの場合も留学生そのものはオープンマインドで、周囲と明るく積極的に交流し、人脈や知識を得ることに貪欲です。どちらかというと生真面目で内向的な人が多い中国国内の一流大学の学生と全く違う印象を受けました。

祖国を離れて頑張る人たちに触れて、国や文化を大切にする一方で、それに縛られず個人として力を発揮し幸せを掴み取ることが大切だと思いました。

とてもいい刺激をもらいました。

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中国の空港、ストレスフリーへ

休暇を前にして帰国しようと、南京の空港で並んでいてふと気が付きました。以前は中国の空港で並んでいると後ろから迫ってくる人のキャリーカートに足を小突かれてイラッとしていたものですが、最近それが、なくなった、とは言いませんが大幅に減ったと思います。

年配のおじさんやおばさんがやたらと前へ前へ進もうとして、前の人やスーツケースにゴツゴツ当ててきていました。日本人、一般常識がある人なら、自分のモノが人や人のモノに当たらないように気をつけますし、不注意で当たってしまうと謝ります。以前の中国人、もちろん人にもよりますが、そんなことはおかまいなしの人がたくさんいました。

私はそれがとても嫌で嫌で、やられてしまうとイライラして怒ってしまうので、年配の人の前はなるべく避けていました。不幸にも後ろに付かれてしまったら、スーツケースを壁にして不必要に前に出てこれないようにガードしたりしていました。私にとっては中国の空港ではそれが当たり前になっていました。

最近ではそれが大幅に減ったので、随分ストレスが少なくなりました。割り込みされないように常に見張っている必要もなくなってきました。私にとっては本当にありがたいことです。

中国人のマナーは劇的に向上してきたと思います。

日本で食べるより美味しく安い日本料理

中国のいろんな都市に日本料理屋さんがありますが、私の経験では大連の日本料理が一番美味しく、しかもとても安いです。他の都市に行くと地元の名物料理を食べるのが楽しみなのですが、大連では必ず日本料理を食べています。

私は大連に住んだことはないのですが、仕事や友人がいる関係で何度か行ったことがあります。日本人が多くいる中心部や開発区には美味しい日本料理屋さんが沢山あります。

友人によると、ひと頃に比べて日本人の数が激減して、日本料理屋さんの経営が苦しくなってきたそうです。各店は生き残りをかけて料理の味を磨き、地元の新鮮な海産物を使うなどコストの抑制も進めてきたそうです。そういう競争を勝ち抜いて繁盛している店は、日本で食べるより美味しく安いと実感します。

大連に行く機会がある方は是非日本料理を試してみて下さい。その美味しさと安さに感動されることと思います。

外国人のリスク

社会が急速に発展してすごく住みやすい環境に変わってきた中国ですが、外国人にとってはまだ難しい部分があります。現在困っているのは新幹線のチケットの購入です。中国人はネットで予約して身分証をかざすだけでOKですが、外国人にはそれができません。

アプリを使って予約まではできます。でもチケットを受け取るには発券所の窓口に並ばないといけません。自動発券機にパスポートの表示がありますが使えません。中国の駅は広くて発券所が遠くにあったり、中国人で並ぶ人はその場で列車を確認しながら購入したりするので、場合によっては非常に長い時間かかります。

だから私は出発の一時間前には駅に行くようにしています。

先日中国人の同僚たちと出張した際に悲劇は起こりました。大連から長春に移動するために朝の新幹線を予約して、タクシーで駅に向かったのですが、通勤ラッシュで大渋滞。同僚には外国人はチケット購入手続きが必要、余分な時間がかかるから早めに着きたいと伝えていたのですが、結局駅に着いたのは発車10分前。同僚たちは直接身分証で入れるので間に合うのですが私が間に合わない。同僚が駅員さんに強く交渉してくれたのですが、当然ダメなものはダメ。停車駅の関係で二時間後の列車に乗ることになってしまいました。

いずれは外国人にも便利な仕組みに変わっていくと思いますが、今のところはリスクを想定した行動を心がける必要があります。