中国での仕事が長い人と話す時によく出る話に「中国はもう面白くなくなった」というのがあります。中国は今ではすっかり発展して90年代や00年代にあった意外性とか冒険的要素がなくなってしまったということです。私もそう思います。今の中国にいても日本と同じ、或いは日本より便利な部分すらあって、異国感はすっかりなくなってしまいました。もちろん中国としては良いことなのですが我々のような人間は一抹の寂しさを感じます。
以前あった冒険的要素は、例えばフライトであれば大幅な遅れは当たり前、天候不良や突発事態で目的地と違う空港で降ろされて、そこからどうすれば良いのか連絡がない、あっても言葉は分からず説明や案内も要量を得ないからさっぱり分からない、分からないままついて行ったらロビーで待てと言われるだけで何も手配されず朝まで、とか、ザラにありました。国内出張しようも切符を買う場所も買い方も分からない、から始まって、どの列車に乗れば良いか分からない、駅から急ごうと怪しいバイクタクシーに乗ってみたり、ぼられそうになって喧嘩したり、出張先の会社の人と懇親会で酒を飲んでホテルに連れて帰ってもらえなかったり、先方が予約したと言ってたホテルに予約が入っていない、等々、油断も隙もありませんでした。そういうカオス状態をサバイブすることにある種の満足感や達成感を覚えていたものです。仕事が終わって帰国便のトランジットで韓国の仁川空港に着いたら文明圏に生還した安堵感があったものです。
最近になって中国と付き合い始めた人から「やっぱり中国は難しい」的なセリフを聞くと「そんなふうに感じるのだな」と不思議に思ったりします。もちろん今でも日本との違いは大きく簡単にいかない部分はたくさんありますが、以前のような意外性の無間地獄のような難しさとそれに対峙するワクワク感は私にはもうありません。我々古い人間が愛した「なんでもアリのカオス中国」はもはや戻ってきません。少し寂しいです。
めちゃくちゃわかります。。。ぶっちゃけ、あの頃は、素の人間って本当はこんなにすごいんだ、、、という感動をいろいろさせられました。そして、タイムスリップした異世界に連れて行ってもらっているような感じでした。。。寂しくて仕方ないです。。。
ですよね。日本の大人しい社会に慣れた身にとっては異次元の世界でしたね。あのダイナミックさが失われていくことは残念ですね。