本気の働き方改革の必要性

日本では高齢化少子化の進展の見通しから働き方改革の必要性が唱えられて久しいですが、実際にはほとんど何も進んでいなかったことが、コロナ感染拡大においてテレワークに移行できないことで露呈したと思います。在宅勤務が必須である状況になって初めて準備が何もできていないことに焦る会社がほとんどでした。社員が家に持っていくPCが足りない、スマホが足りない/個人のスマホを使わせるルールや対策がない、セキュリティー確保のためのVPNが足りない/機能しない、適切なソフトやアプリがない/知らない、にわか導入で使い方が分からない等々。日本の企業の弱点が浮き彫りになりました。

私が勤める中国の会社では元々個人のスマホを仕事に使っており、企業微信というアプリを使ってコミュニケーションをしていました。そこにコロナショックが来て在宅勤務や遠隔業務を余儀なくされたのですが、慌てることも特別なことをする必要もなく、企業微信の会議機能を使ってテレワークに移行しました。日頃から使っているスマホ・アプリなので使い方が分からないなどということもありません。生産などの現場のモノを扱うようなこと以外の大半の仕事はテレワークで進められました。

特に我々外国人にとって良かったのが日本に帰国していてもスマホ一つで打ち合わせを伴う仕事を進められることです。本当に便利だと実感しました。しかしそんな場所を問わず仕事ができる状態なのに日本の本社には管理のために出社することを求められ、コロナ感染リスクがある中、わざわざ会社に行って事務室で個々人がスマホで仕事をする(そして互いがうるさくて結局それぞれが会議室に籠る)という珍妙な状態になりました。

その後日本でコロナが蔓延し、自宅待機を余儀なくされた時、中国側は当然テレワークで仕事を進められると思ったのに、日本側はテレワークどころかPCを持って帰れないのでメールすらできず、結局一斉休業で完全に仕事が止まるというお粗末な事態になってしまいました。

日本でも今後はさすがにテレワークを真剣に考えるでしょうが、旧態依然とした考えで新しい便利なモノを取り入れることを躊躇する、セキュリティー等々でできない理由を見つけてきて現状維持に甘んじる、ある意味高齢化の弊害ともいえるそういった体質を抜本的に変える必要があるのだろうと思います。

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