日本ではバブルの頃までは職場での飲み会が盛んに行われて、上司が部下に説教?しながらしこたま飲ませて連れ回すような場面がよく見られました。今の常識であればパワハラやセクハラまがいの光景がしばしばありました。それが90年代終盤くらいから徐々に変わってきて、現在では職場の飲み会といっても年に数回、強制ではなく若手や女性は参加しないということも普通になってきました。仕事の延長のような飲み会は敬遠され、仲間同士で楽しく飲むようになってきています。
中国の宴会は以前はまさに仕事そのもので、飲み会の場で親しくなりビジネスが決まるようなこともありました。ビジネスパートナーや上司への挨拶として白酒での乾杯も何度も何度も行われていました。日本よりも働く女性が多く平等意識も高いので、女性も男性と同じノリでガンガン飲んでいました。しかし近年ではそういった伝統的な中国の宴会は衰退してきているようです。
先ずは贅沢を控える国の方針により浪費を伴う派手な宴会が減ってきました。飲酒運転の処罰が厳格化されたことで宴会に参加しても飲まない人が増えてきました。また、近年では若い人を中心にお酒を全く飲まない人が増えてきました。更に女性の中には男性本位の飲み会に出ることを好ましく思わない人も増えてきているようです。日本のようにあからさまに欠席はしないまでも、仰々しく上司に挨拶をして白酒で乾杯するようなことはせず、お酒は飲まずに食事して談笑するに止めています。
社会が急速な変化を遂げている中国では、新旧入り交じった過渡期の状態のものごとが多く、宴会もその一つだと思います。この先数年もすれば日本と同じような気軽な飲み会になるのだろうと思います。そして旧来のやり方を変えられずにハラスメントで訴えられる人が増えてくるのではないかと予測します。