私くらいの中級レベルの人は、中国語の長い文章を読んでいると知らない単語や言い回しが出てくる度に詰まってしまい、それを調べたりしているうちに疲れてしまって、読むのをやめてしまったりします。私は長編の「三体」で挫折した経験があります。「三体」は中国で大ヒットしたサイエンスフィクションで、とても面白くて話にグイグイ引き込まれていきます。しかし面白い分難解な言い回しや専門用語が多く、度々詰まってしまいます。その度に調べていましたが疲れてしまって挫折、長期間放置した末にあらすじだけは知りたいと思い、最終的には斜め読みして終えたことにしました。
他にも数年前に着手して未だに完読できていない本があります。一旦中断してしまうと読む気が失せてしまうもので、最近では手に取ることもしなくなっています。
しかし、とにかく一度は長編を中国語で読破したいという思いがあるので、再度一念発起して「流浪地球」を読み始めました。「三体」と同じ作者が書いた作品で、映画化されて大ヒットしました。私は映画を見ていないので、映画の楽しみを最大化するために、事前に本でしっかりと理解することを目標にしています。これまでの反省から、違うアプローチをとることにしました。知らない言葉が出てきてもいちいち調べることはせず、放置して読み進めることにしました。そうすると、分からない部分がありながらも大意が掴めるので、次第にストーリーに引き込まれて、数時間没頭して読めるようになりました。そして分からない言葉は何度も出てくるものが多く、いろんな文章で見る度に前後の文脈から何となく意味が推測できてきます。そしてある程度読み進めたところで、戻って分からなかった言葉を調べると、推測してきたこともあってはっきり理解できることが多いです。後から謎解きをするような面白さも感じます。
このアプローチは私には非常に有効です。なんと言っても没頭して読み続けられるという、読書本来の楽しさを味わえることがいいです。楽しく読み進めている間は読むスピードや理解がだんだん速まることを実感しています。楽しめることが前提なので、ポイントはやはり自分が好きなジャンルの本を見付けることです。