ネイティブの友達ができたらグループ学習をするのがお勧めです。得るばかりではなく与えるものもないとグループ学習は成り立たないので、日本語を勉強したいと思っているネイティブを見付けて一緒にやるのが良いです。日本のアニメ人気もあって日本語を勉強したいという人はたくさんいます。しかし学習のパートナーとしては真剣に日本語を学びたいと考えている人と組むことをお勧めします。軽い気持ちの人だと実際始めてみると長続きしません。日本に留学したいとか日系企業に就職したいとか具体的な目的を持っている人が最適です。見付けるのは難しいですが必ずいるので、しっかり吟味されることをお勧めします。
グループ学習のメリットはなんと言っても生きた中国語を学べることです。あの人があの場所でこういうふうに言ったというのが強く印象に残ってしっかりと覚えられます。私の知人で、日本人二人、中国人二人でグループ学習をしていた人の体験談を聞きました。マクドナルドやスターバックスに集まって中国語を一時間、日本語を一時間みたいなやり方で相互勉強をしたそうですが、他のお客さんがうるさくて彼女が「太闹了」と言ったとか、喋り続けて疲れて「饿死了」と言ったとか、その場面をセリフを含めて完全に覚えているそうです。こういった記憶はその人の記憶と共に消えることなく残りますので、学習効率が非常に高いと思います。
そして何より、一生続く友達関係が築けたらその人の存在自体が中国語学習のモチベーションになりますし、自分の人生を豊かにしてくれます。中国語学習を通して友達ができるというのは素晴らしいことです。グループ学習、是非試してみて下さい。
日本ではアメリカやヨーロッパ等に比べて中国に関するテレビ番組は少ないと思います。興味をそそるものをなかなか見付けられず、日本滞在中の中国語学習のモチベーション維持のため何かないかと思っていたら、知人が私好みの番組を見付けてくれました。「関口知宏の中国鉄道大紀行 〜最長片道ルート36000kmをゆく〜」です。NHKBSの番組で「春編」と秋編」があります。「春編」では2007年の春にラサ駅を出発し約2ヶ月かけて西安駅に到着、「秋編」は9月に「春編」の終着駅・西安駅から出発し、約2ヶ月かけてカシュガル駅に到着します。その間に下車した各駅周辺の様子、人々との触れ合いを記録したものです。中国各地を訪問した私には興味深くちょっとした冒険心も刺激されて、とても楽しいものでした。youtube などで見られますので是非一度ご覧になって下さい。中国の旅が好きな方には特にお勧めです。
関口知宏の中国鉄道大紀行 最長片道ルート36000kmをゆく 春の旅 決定版 DVD-BOX 全4枚
関口知宏の中国鉄道大紀行 最長片道ルート36000kmをゆく 秋の旅 決定版 DVD-BOX 全4枚
人によって興味は違いますが、中国に関する楽しい番組を見ると学習意欲が高まります。お気に入りの番組を見付けてみましょう。皆さんもいいのをご存知だったら是非教えて下さい。
自宅や教室でテスト勉強はできますが生きた中国語を使えるようになるためにはやはり実践経験が欠かせません。初心者の頃ですが、野外活動に参加することで会話が楽しくなり自信がついた経験があります。いろいろやりましたが私に場合はウオーキング大会が最も楽しかったです。会社の中国人の友人に誘われて湖の周りを歩くもので確か2時間コースと4時間コースがあったと思います。その4時間コースに参加しました。たくさんの人が参加する大会でしたのでワイワイ賑やかで、同じペースで歩く人と自然とおしゃべりをしながら歩きました。どこから来たの?とか、まだ着かないねとかの簡単な会話ですが、4時間歩きながら中国語だけでいろんな人と話をすると、頭が完全に中国語仕様に切り替わって言葉がスラスラ出てくるようになりました。その湖の歴史を教えてもらったり、勧められて水分補給にキュウリ🥒を買ってみたりと、中国語を使って楽しむ初めての経験になりました。
中国にもこういったウオーキング大会やマラソン大会(真剣に走る人は会話はできませんが)、果物狩りなどたくさんの野外活動があります。ちょっと過激なものでは真人CSというバトルゲームなども盛んです。中国人の友人から誘われることもあると思うので、積極的に参加して楽しく中国語を使っていきましょう。
中国語が少しでき始めたくらいの方に特にお勧めの方法です。覚えた中国語で実際にコミュニケーションができ始めるのはとても楽しい経験です。その実践の機会としてお勧めするのがマッサージです。以前より減った気がしますが中国にはマッサージ屋さんがたくさんあります。足ツボ30分や全身2時間などいろんなメニューがあって自分の好みで選べますし、結構安いので気軽に行くことができます。マッサージはネイティブ一人を一定時間占有できる状態になるので会話の練習にもってこい、落ち着いてじっくり話ができるいい機会なのです。マッサージ師さん側も施術以外は暇なので、どこから来たの?仕事は何してるの?と話しかけてくれる人もいます。特に外国人だと面白がってあれやこれや聞いてきてくれます。中国語を勉強中だと伝えるとさらに面白がって、教えてあげるってことで話が弾んだりもします。
ネイティブと交流する方法は他にもいろいろ試しました。飲み屋でお姉さんと話す、これはアルコールが入って饒舌になるので会話が弾む気がしますが、酔っ払っているので頭に残らない、日本語を話す人が多く会話が知らぬ間に日本語だけになる、そして何より値段が高いのでそう何度も気軽に行けるものでもありません。この「夜の学習」で習得すると豪語する方はたくさんいますが、実際に習得している方に私は会ったことがありません。散髪屋さんで会話するのも試しました。マッサージと同じようにネイティブを占有はできますが、なにぶん時間が短く(特に私の超シンプルな髪型の場合)、且つ細部の仕上げなど集中するプロセスが多いので、話はあまり弾みません。公園で暇そうなご老人を見付けて話すなんてこともやってみましたが、方言がキツイ人が多くて分かり難く会話が弾みませんでした。それら様々なトライアルの結果、私の中ではマッサージがベストという結論に行き着いています。
マッサージ会話を成功させるために注意すべきことが二つあります。一つ目は「相手を選ぶ」ことです。マッサージ師さんにも方言がキツくて普通话をうまく話せない人がいます。自分が会話ができる人を見付けたら名前や番号を聞いておいて次回も指名するのが良いでしょう。二つ目は「寝落ち」です。揉んでもらうと気持ちが良くて気を許すと寝てしまいます。私などは足を触られるだけで強烈な眠気が襲ってくるタイプなので、最初に足を触られて寝落ちしてそのまま終わって起こされるということが何度もありました。会話の練習のために気持ち良さに耐えて(?)眠気と戦うことをお勧めします。
知人の中に中国人の対応に気持ちが凹んでしまって会話する気がなくなってしまっている人がたくさんいます。日本で少し中国語を勉強して、中国人と交流することを楽しみにしてやってきた人に多いように思います。逆に中国に何の期待もせずに来た人には少ないように思います。元々の期待値に対する実際とのギャップが大きいほどガッカリする度合いが大きいということだと思います。
中国人と接した経験が多い方には分かると思いますが、日本人的感覚で中国人に接すると、もちろん人にもよりますが、粗暴、ぶっきらぼう、不親切等々のあまり好ましくない印象を受けます。例えば中国人は会話の中で相手が何を言おうとしているか推測して理解しようとしてくれる人が少ないです。私は中国の前は南米(コロンビアやエクアドル、ベネズエラなど)で仕事をしていましたが、南米の人たちはこちらが下手なスペイン語で話してもなんとか聞き取ろうとし、聞き取れなかったら質問して理解しようとしてくれます。しかし中国人は聞いた言葉が分からなければそのまま放置する人が多いです。仮に問い直してくれても「ああーっ?(2声)」と日本でいえばDQNのお兄ちゃんが因縁をつけるような声で反応されたり、こちらが分からなかったら「ちっ!」と舌打ちされたりします。また、意にそぐわないことには遠慮なく「不是!」と言いますし自分の要求を述べて相手が反応しなかったら(できなかったら)勝手にYesだと判断されます。朝の挨拶も帰りの挨拶もほとんどありません。笑顔も少ないし、日本人がお礼を言う場面でお礼を言う人は少数です。南米の人なら人に会うとニコニコ笑顔で握手して長々と挨拶してハグして女性なら頬にキス。私は仕事が変わった当初はこの南米と中国の大きな大きなギャップに苦しんだものです。
ただ、当たり前ですが当の中国人たちはそれらを悪気があってやっているのではありません。それが彼らのコミュニケーションスタイルだということです。良いも悪いもなく、日本人とは違うというだけなのです。むしろ国際標準でみると例えば日本人は明らかに遠慮し過ぎだしお礼の挨拶も多過ぎだと思います。「日本人はちょっとしたことですぐにお礼を言うので軽々しく感じる。本当に感謝しているのかどうか分からない」という中国人がたくさんいます。そして中国人のマナーや社会的道徳意識はすごい速さで成熟に向かっており、若い世代の人などには日本人よりずっと親切で優しい人がたくさんいます。個人的には日本が見習わなければならない日が来るのも近いと思っています。
互いに違いを認識すれば深い交流ができるはず、本来は何でもない違いが起因して凹んでしまってそれっきり交流しないのは残念なことです。楽しく朗らかにどんどん交流していきましょう!
というような話を、広州に5年間駐在して中国語はかなり上手いのに引きこもりだという人にしたことがあるのですが、「そうでしょうけど、綺麗な女性に例の『ああーっ?(2声)』をやられると心の底から凹みますよ」とコメントされ、「むむむ、確かにそうかも?」と思ってしまいました。私もまだまだ修行が足りません。
仕事などで通訳さんを入れている人限定の工夫にはなりますが、通訳さんが行う日本語と中国語の変換による意思伝達の「変換」に注目して「自分の日本語を中国語にどう変換しているか/相手の中国語を日本語にどう変換しているか」をしっかり確認するというものです。具体的には、例えば会議などで自分が日本語で話すと通訳さんが中国語に変換して相手に伝えますので、その際になんと言っているかしっかり聞いて重要なものは書き留めて覚えます。資料の翻訳でも同じで、自分の日本語がどんな中国語になっているか、キーワードや重要な文章だけでも抜粋して覚えます。自分がよく使う言葉の中国語での言い方が分かるということなので自分にとっては活用し易く、表現の幅が広がります。徹底してやれば表現力はかなり上がると思います。逆もまた然りで、中国語がどう日本語に変換されるか確認することで表現を学びます。
いくつか留意点があります。まずはレベルが高い通訳さんを選んで実施することです。通訳さんの中にはレベルの低い人もいます。なんちゃって通訳さんが間違った通訳をしているケースも多々あります。こういう人の変換結果を丸覚えしてしまうととんでもないことになってしまいます。通訳さんのレベルを見極めるのは中国語が分からないうちは難しいですが、日本語でしばらく話してみて怪しいなと感じる人はまずダメです。そして会議をしても話が噛み合わないことが多々ある人、通訳さんが原因ではないかもしれませんがやめておくのが無難でしょう。
留意点二つ目は、重要な会議ではやらないことです。通訳さんの変換を確認したりメモしたりすることに集中し過ぎると相手の反応を確認するのが疎かになります。行き過ぎると相手が何を言ったか聞いていない=全然仕事をしていない、中国語の勉強をしているだけの状態になります。これではさすがにまずいので、自分が余力を持って臨める会議や打ち合わせの際にやるのが良いです。自分ではなく他の人の発言を活用するのも良いでしょう。
通訳さんのその他の活用方法ですが、気の利いた通訳さんは所属する業界の専門用語集を作ったりしているのでそれを提供してもらうのも良いと思います。一般の学習書や辞書には載っていない専門用語が分かります。ただ、通訳さんにとってはこれは自分自身のノウハウ集なので開示したくない人が多いと思います。親しくなって信頼関係ができ上がってから相談すべきと思います。無理強いはいけません。
会話力を鍛えるためにテレビを見るのは効果があると思います。中国では地方ごとの方言差が大きいのでテレビ番組の多くが字幕を付けています。最初のうちは字幕を見ながら、慣れてきたら字幕を見ずに見続けたら、だいたい二か月もしたら簡単なやり取りは聞き取れるようになると思います。ただ問題は私の場合はもともと(日本語でも)テレビがそれほど好きではないこと、ドラマなどの長編をゆっくり見る時間がないことです。いろんな人に楽しい番組を紹介してもらったりしましたがどれも続きませんでした。見たいと思うのはCCTV5のスポーツチャンネルくらいなものです。これはスポーツ観戦なので会話らしいやり取りはほとんどなく会話力の向上には寄与しません。
そこで私は気に入った映画を繰り返し観る方法を採ることにしました。住んでいた東北地方や江南地方に関係がある歴史もの、趣味の武道もの、コメディーものなど、自分自身が何回も見たいと思うものを選んで見続けるようにしました。これがかなり効果的で、気に入ったやり取りは場面ごとセリフを丸覚えすることができます。丸覚えしたセリフは頭の中で日本語を介することなくそのまま使えますので、これが増えていくと会話力はかなり強化されます。
ただ、映画鑑賞も時間がかなりかかりますし家族と趣味が合わない場合は何度も同じものを見ていると嫌われてしまいますので、やはりある程度まとまった一人の時間が確保できる方へのお勧めになるかもしれません。単身赴任の仕事以外にやることがないという方にはお勧めです。
参考までに、私が繰り返し観ている映画を紹介します。ちょっと古いですし日本非公開のものもありますが参考まで。
赤壁(レッドクリフ)/末代皇帝(ラストエンペラー)/辛亥革命/建国大业/南京!南京!/猛龙过江(ドラゴンへの道)/功夫梦(ベストキッド)/功夫/少林足球(少林サッカー)/人再囧途之泰囧人
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