中国の詩「漢詩」には長い歴史があり、数多くの名作があります。好きな詩を探して覚えるというのも楽しく良い勉強になると思います。丸覚えが難しければ好きな部分を覚えるだけでもいいと思います。何かの機会にちょっと使ってみると、言葉以上に考えや感情が伝わり、教養があり情緒豊かな人だと好感を持ってもらえるという利点もあります。
私は中国の歴史が好きで、以前は王朝の攻防ばかりに興味がありましたが、中国語を学び始めてからは文学にも多少興味を持ち始めました。ネット記事からの抜粋ですが漢詩の歴史を簡単に紹介します。最古の「詩経」から始まり、楚、漢を経て、三国の時代に魏の曹操ら三曹が国家芸術としての漢詩を確立しました。唐の時代に入ると詩は宮廷を離れて黄金期が築かれました。この頃に日本人にも広く知られている、歴史の教科書でお馴染みの杜甫や李白、白居易などが活躍しました。唐の後にも有名詩人が多く現れました。
中国人の同僚(80后女性)に好きな詩をあげてもらうと、张九龄という唐の詩人の「自君之出矣,不复理残机,思君如满月,夜夜减清晖」という詩を紹介されました。「只要一想到你,世界在明亮的光晕里倒退(あなたのことを思うと世界は明るい光の中に後退する)」みたいな簡単な現代語訳になるということですが、元の詩の方が意味は分かり難いですがムード満点で、何ともロマンティックで美しく感じます。また、同じく唐代の李益の「水波珍簟思悠悠,千里假期一夕休,从此无心爱良夜,任他明月下西楼」も素晴らしいとのことでした。意味は考えてみましょう。この同僚は比較的文学が好きな方だとは思いますが、中国では漢詩が現代でも愛されているということだと思います。和歌を一般には受験勉強や百人一首でしか触れない日本との違いを感じます。
ネットで検索するといろいろな名作を見付けることがことができます。たまには日々の過酷な勉強を休んで、お気に入りの漢詩を探してみると面白いと思います。