愛すべき老中国 : 食をめぐる壮絶な戦い

現在は贅沢や浪費を抑えることを政府が指導してきたこともあって、派手な宴会や食事会などはずいぶん減ってきました。しかし元々は接待する際にはお客が食べ切れないほどの量を振る舞うのが礼儀とされてきた中国です。以前の宴会や食事会ではものすごい量の食事と酒が振舞われていました。大皿に山盛りになった山海の珍味がどんどん出てきます。そして白酒とケースで準備された何十本ものビール、壮観でした。一方でもったいない精神で育ってきた日本人、食事は残さず食べなさいと両親から教育されています。お客が食べきれない量を出そうとする中国人、全て食べようとする日本人、この両者が出会うと互いの善意による壮絶な戦いが繰り広げられます。

大量の飲食物を供してご満悦の中国人、一方それを見て喜びながらも内心冷や汗をかく日本人、頑張ってなんとか完食します。すると焦る中国人、これでもか!とばかりに出し続ける中国人、ホストとしてのメンツの問題なので必死です。それを見てげんなりしながらもまた必死で食べる日本人。最後は胃袋の限界にきた日本人が健闘虚しく敗退です。中国人はご満悦。

私は中国人の友人に「日本人ってよく食べますよね」と言われたことがあるのですが、普通の状態なら明らかに中国人の方がよく食べます。きっとこういった壮絶なバトルを経験したのだろうなと可笑しくなりました。日本人の友人からは「あんなにたくさん出されたら食べ切れないよね」と言われるので「残して良いのですよ。残した方が先方は満足するのですよ」と教えるようにしていました。

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