まだまだ改善されたといえるレベルではないですが深刻な大気汚染に対して様々な取り組みが進んでいます。北京オリンピックの後くらいから問題が指摘され始めてPM2.5の状況が広く知らされるようになりましたが、特に酷かった2013年頃には500とか600という信じられない数値に達したこともあります。これは日本の健康基準を15倍以上も上回るひどい値です。こうなると昼間でも近くのビルが霞んで見えませんし視界が悪く危ないので高速道路は閉鎖になります。児童は外出禁止、学校は休校になります。ホテルに宿泊していても部屋の中にまでモヤモヤが侵入して白くなるような逃げ場のない状態でした。そんな中でも平気な(というかよく分かっていない)中国人が大半で、マスクもせずに平然と外を歩いたりしていました。3M社などからPM2.5対策用のマスクが販売されましたが、そういうのを着用しているのは外国人だけでした。中国人の友人にマスクをした方がいいのでは?と勧めると「中国人は愛国心が強いから自分の肺で中国の空気を浄化してるのです」と答えられたのが印象に残っています。その後徐々に健康意識が高まって、大気汚染が随分改善されてきた近年になってようやくマスクを着用する人が増えてきました。個人的には手遅れだったのでは?と思っています。多くの人が汚染がひどい時期を無策で過ごしたので後に健康被害が続出しないか心配しています。
そういう時期を経験した者にとっては中国で最近ちょくちょく見られる青空には感動します。思わず外出して散歩したくなります。しかしそれでも日本に帰国した際に外を見るとやっぱり日本の方が格段にキレイで、視界が良く遠くまで見渡せるので急に目が良くなったような気がします。
政府主導で改善が進められて環境意識も高まってきましたので、今後さらに改善が進むと思います。