まずはお昼寝です。もちろん日本の会社員でも勤務中にうつらうつらします。ここで言いたいのは当時の私が一緒に仕事をしていた会社の中国人たちは「遠慮なく」寝ていたということです。机に思いっ切り突っ伏してグーグー寝ていました。よく見ると耳栓やアイパットをしている人もいました。やることがないのだから寝ようが何しようが勝手でしょ?という感覚でしょうか、空き時間に自分の仕事を整理したり改善案を考えたり、そういうことは全く考えないようでした。
次に怠慢、監視の目がないと仕事をしない。製造会社の検査ラインを確認した時のこと、目視検査のステーションに行ってみると人がいない。仕方がないので腕組みをして立っていると申し訳なさそうな顔をした検査員が一人二人とやってくる。30分くらい立っていると八名ほどのフルメンバーが揃って製品をチェックするようになる。で、ステーションを離れて一時間くらいして戻ってみるとまた人がいない。腕組みして立っていると一人二人とやってくる・・この繰り返しでした。
また、検査員たちの理解度を確認しようとヒアリングを行った時のこと、私:「あなたの仕事は何ですか?」検査員:「ここに書いてあります(作業手順書を見せる)」私:「やってみて下さい」検査員:「・・・(できない)」私:「できないということは仕事をやっていないということですね?」検査員:「いえやっています。ここに書いてあります(作業手順書を見せる)」私:「???」全く理解できない受け答えでした。後から聞くと工場作業者は地方の農村からきた人がほとんどで、そのうち半分は字が読めない人でした。現場の責任者は作業手順書を渡して「この通りにやれ」という指示だけをして生産・検査ラインで働かせていました。字が読めないなんて知ったことではない。手順書を読めと指示したことで責任者の仕事は終わりです。
そんな状態ではいい製品ができる筈がありません。管理者に改善を促そうと事務所に行くとマネージャーは夜の宴会に備えて既に帰宅していました。無間地獄とはこのことかと痛感しました。