業務報告は面倒ですし上司にあれこれ指図されたりするのが嫌で敬遠する人も多いですが、中国人は日本人に比べて報告が好きな人が多い印象を持っています。報告されるのも好きです。現在の中国人は各々が上昇志向が強いため、自分の業績をアピールしたいというのがその理由ではないかと思います。だから上司への報告が特に好きです。中国人の部下を持つ人は必要に応じてどんどん報告を求めていったら良いと思います。
ただ、報告の内容や資料はチェックした方が良いです。資料をみると自分が言いたいことを文章で長々と羅列しているだけだったり、概念的なことばかりで具体性に欠けていたり、華美なだけだったりと、何が言いたいのか分からない冗長なものが非常に多いです。もちろん人によって異なりますが、私は中国人の報告資料で的を得たものを見た機会は少ないですし、私が作った資料を分かり易いと感心してくれたりしていたことを考えると、不得意な人が多いのだろうと思っています。
ポイントは報告の目的を明確にすること、パワーポイントの場合は序盤のページで全体観を表して目次を記述すること、ページ毎の伝えたいメッセージを端的に記述すること、的確な概念図や図表を用いて読まなくても見れば分かるように工夫すること、理解を深めるための具体的事例を記述すること、そして長過ぎないこと、そして最も重要なのは読み手聞き手の立場に立って伝わるかチェックすることだと思います。
これは能力というよりは、どういう報告が伝わりやすいのかを理解しているかどうかというだけの問題なので、誰でも指導と訓練で上手になります。「中国人の報告は分からない」とぼやく人が多いですが、先入観や印象で判断せず、しっかり教えていくことが必要です。