日本の会社での会議は参加者が議論をしながら全体の合意を形成していき、リーダーの了解や合意を得てそれが結論になるのが一般的です。中国の会議では、まずは担当レベルの人がそれぞれの意見を述べ、次にその上の職位の人たちがコメントし、最後の参加者の中で最も職位が上の人がコメントし、それをもって結論とするものが多いと思います。あまり議論をするという感じではなく、それぞれの意見を聞いて最終的にトップが判断するというスタイルです。そのやり方にはもちろんメリットもデメリットもありますが、日本人的に議論をしようと思って待っていたらあっという間にリーダーのコメントの段階になって、自分の意見を織り込めないまま終わってしまうことが多々あります。
また、このスタイルでの最大の問題は、リーダーが複数いる場合に相反するコメントをしたままそれを整合することなく終了してしまうことです。中国人は日本人より互いの面子を重んじる傾向があるので意見が異なる場合でもあからさまに否定することはあまりありません。結論が割れたまま散会してしまうと部下たちはどの指示に従えば良いか分からず右往左往することになります。
この会議スタイルで自分の考えを織り込むにはやはりリーダーに賛同してもらう必要があります。リーダーも議論の中で聞いた話だけで判断するのは難しいですから、事前に相談して了解してもらうことが必須です。リーダーが中国人であれ日本人であれ、平時でのポイントを押さえた報告や相談をすることが重要です。そして会議でリーダー間で意見が割れた場合は放置することなくどちらの方向に進むのか確認する必要があります。日本人が外国人であることを利用して、第三者的立場で確認を買って出るようにすれば軋轢なく結論を導き出せます。