現代においては国際共通語として英語が使われています。中国が国際的に影響力を増していくにつれ、中国語が英語に変わって国際共通語になり得るでしょうか?私は難しいと思います。
国際共通語は古くはラテン語だったそうです。ローマ帝国の繁栄と拡大がその基礎になっていて、ローマ帝国滅亡後もヨーロッパでは広く使われていたそうです。時を経て大英帝国が世界を席巻しその後アメリカが大きな力を持ったことによって、英語が世界中に広まりました。大英帝国はヨーロッパでの影響力に加えて植民地を拡大したことで、アフリカ諸国やインドなどで英語が公用語になり今でも使われています。アメリカは世界大戦や冷戦に勝ち抜き事実上世界の覇権を握り、経済発展をグローバルに進めました。それらによって英語が国際共通語として認知されて、現在ではほとんどの国で学校教育で第一外国語を英語にしています。これが正のスパイラルになって英語はどんどん広がり定着していっています。この流れはそう簡単に変わりませんし、変える必要性も見当たりません。
中国語人口は世界一多いと言われますが、基本的にそれは中国人の人口が多いことによるものです。東南アジアなどで中国語を話す人が多いのはやはり中国人が華僑として移り住んでいるからで、共通語として使う動きがある訳ではありません。今後中国の影響力は大きくなっていくでしょうが、過去に行われたような大規模で露骨な他国の征服や言語の強要には向かわないでしょうし、英語がその地位を確立している中、中国を中心としたグローバル経済が発展したとしても、国際共通語をあえて中国語に切り替えていく必要性も生じないと思います。そして中国もそう遠くない将来、日本と同じように少子高齢化が徐々に進んで国力の伸びは徐々に停滞し緩やかに衰退に向かう筈です。
中国語の有用性は今後も高まると思いますが、国際共通語にはなり得ないと思います。今後の外国語学習は、必須は英語、オススメが中国語、の位置付けだと思います。