ホワイトカラーと三現主義

三現主義とは「現場」「現物」「現実」の3つの「現」を重視し、机上ではなく、実際に現場で現物を観察して、現実を認識した上で問題の解決を図らなければならないという考え方のことです。特に製造業などで重視される考え方です。90年代の中国では高学歴のホワイトカラーはエリート意識が強くて工場に出るようなことは自分の仕事ではないとの意識の方がほとんどでした。今でも日本人には中国人の管理職は現場に出向かないと考えている人が多いと思いますが、近年変わってきているので認識しておいた方が良いと思います。

私がお会いした人にも現場を大切にする素晴らしい管理職の方々がいました。課題認識や問題解決にあたっては部下に必ず現場を確認させて報告させると共に、自らもしばしば現場に足を運んで現物を確認し、実際に取り組んでいる担当者の話を聞き、判断をしていました。現場を大切にするというのは日本の製造業の優位性のように言われることが多いですが、日本人以上の中国人管理者は既にたくさんいます。ただ、彼らに会ったのは2010年代です。話をすると彼らも以前は現場に出ず机上で仕事をするのを良しとしていたそうですが、それでは限界があることを悟り、日本のやり方も参考にして現場に出るようになったそうです。リーン生産など理論は分かっていてもまだまだ十分に導入できずもがいている部分はありますが、その重要性は十分に認識されているので、中国の工場の生産性が上がっていくのは間違いないと思います。

更に中国はいろんな領域で科学技術が日本を凌駕しつつあります。それが三現主義をベースに寸化していくと、更に大きな発展を遂げることになると思います。日本も良きライバルとして共創していきたいものだと思います。

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