トップダウン

中国の企業の意思決定はトップダウン、或いはトップの了解を得たものがほとんどだといえます。会社にもよるとは思いますが比較的大きな会社でも意思決定の権限は上位層に集中しています。或いは明確に決められておらず全てが自動的にトップに上程される会社も多いです。これにはもちろんメリット・デメリットがあり、大胆で迅速な意思決定が可能で特にトップが有能だと素晴らしく機能します。90年代からの中国の急速な発展はこれに支えられたといっても過言ではないと思います。反面、トップが誤った判断をするととんでもない大失敗に繋がることがあります。また、内部では全員が判断をトップに委ねるのでそれぞれの思考が停止し(事実説明をしたら後はトップが判断するという姿勢)、ボトムアップの提案が出難く人材が育ちません。このメリット・デメリットを上手く利用したマネジメントをする必要があります。

それには、目的ベースでワークレベルの提案をしっかり考え、日常のコミュニケーションでそれをトップに上手く伝えて合意を形成しておく必要があります。簡単にいえば「リーダーを味方に付ける」ということです。日本の会社よりも日常のリーダーとのコミュニケーションが重要になるので日本人は意識的にやる必要があると思います。

注意点はトップとの合意形成の一方、中間の関係者の理解を得ておくことです。どうせ決めるのはトップだからと、トップだけとコミュニケーションして中間の関係者の意思に反するような提案を通してしまうと実務を担当している人のメンツを潰してしまい、協力が得られないばかりか反発を生むことにもなりかねません。組織の形態を把握して関連部門の合意を得た上で(合意に至れなくても相談はした上で)トップとのコミュニケーションを進める必要があります。

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