フードデリバリーの変化

中国では過去十年間で食品の宅配が急速に普及し、利用者は5億人を超え市場規模は約4兆円規模と言われています。配達員だけでも300万人規模。主要プレイヤーは合わせて市場シェアの9割を占める美団点評とアリババです。そのビッグビジネスが新型コロナの拡大によって変化してきているようです。

まずコロナ初期に外出を控えるということでフードデリバリーの需要は急増しました。しかしコロナが次第に深刻化していくにつれ、誰が調理したのか、配達中の衛生がどの程度保たれているか分からない、特に配達員は毎日多くの人と接するので感染リスクは高いのでは?ということで避けられるようになったそうです。しかし、自粛期間はフードデリバリービジネスにとってはまたとない商機です。大手二社は衛生不安を払拭するために、配達員にはマスク着用と体温測定、宅配ボックスの消毒を実施した上で、接触機会を出来るだけ少なくするために特定の配達地点で商品を受け渡しするサービスを展開しました。

そして最近目立ってきたのが食材のデリバリービジネス、農家や生鮮プラットフォームや従来型市場と連携し、安全新鮮な食材を配達しています。以前からあったビジネスですが一年くらい前から需要が急拡大し、コロナの影響で更に加速しているようです。特に若い会社員夫婦の利用が多そうです。いくら美味しくても毎日外食していたら飽きるように、加工食品のデリバリーもやっぱり飽きてきます。食材を得て自分で料理する良さが認識されてきたので、今後ますます拡大すると思います。

日本でもコロナ自粛が続きフードデリバリーが徐々に始まっていますが、それが進んでいくとやはり食材に行き着き、やがて新しいライフスタイルとしてコロナ後にも定着していくのではないかと思います。先行しているのはオイシックス、中国にも進出しているようですので、頑張って欲しいものです。

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