2020年のCOVIDー19(新型コロナウィルス)では一般的な中国人の特徴がみられたと思います。あくまで一般の日本人との比較ですが、政府の指導もあり、感染を大いに恐れて防護に真剣に取り組む人が多かったです。中にはパニック状態になり極端な行動をとる人もいました。逆に日本人の危機意識が中国人に比べて低いということでもある訳ですが、違いそのものが興味深いと思いました。
報道されていた極端なものは、中国での感染拡大が春節の時期だったことで親族が里帰りするのですが、自宅へ入ることを禁止して追い返すようなケースでした。窓からお年玉を投げ付けて「それを持ってさっさと帰れ!」と。確かに感染防止のためには正しい対策ですがもう少しやり方があるのでは?と思いました。身近な例では、新規感染の拡大がある程度収まって自宅待機命令が解除されても、恐くて家から出られない人が一定数いました。外気を吸ったら感染するのではないかとまで心配されていたそうです。公共の交通機関を使わざるを得ない場合にゴミ袋で身を包んで頭部には水用の容器を被っている人もいました。小区でバリケードをはって外部からの訪問者の入場を阻止する場面もありました。日本や韓国で感染が拡大し始めた時には、日本人韓国人というだけでずっとその街に住んでいて他の都市や国に行っていない人までも恐れられ、近隣の住民が彼らの部屋の扉に監視カメラを取り付けたりしました。
中国人の同僚からは「あなたたち(日本人)が呑気に構えているのが理解できない」と言われました。日本での感染初期、マスクがまだ市場に出回っている2月に、中国人の同僚に「日本の社員はマスクはしているのか?」と聞かれ「3割くらいはしている」と答えると、日本にマスクを送る準備を始めようとされました。マスクが足りないから着けていないのだと勘違いしたのです。当時は日本人は感染のリスクを軽視していてマスクを着けた人も基本的には花粉症対策でした。
日本人が呑気なのは、地震や台風などの自然災害が多く、ある意味場慣れしているからではないかという分析が中国メディアで報道されていました。
コミュニケーションを良化するという目的においては、何故このような違いがあるのか、どちらが良いのか悪いのか、を議論することにはあまり意味はなく、基本的な考え方や行動様式の違いがあるということを理解しておくべきだと思います。