友好は自分事化から

コロナ感染拡大では、中国がコロナを発生させてそれを全世界に拡散して迷惑をかけ、先に自分だけ終息させて経済活動を再開した自分勝手なひどい国だと非難する声がたくさん上がっています。欧米の感染者や死者は凄まじい数になりましたし、日本もなかなか終息に向かわせることができず苦しみ喘いでいます。2020年に予定されていた東京オリンピックは史上初の延期となり、莫大な経済損失が見積もられています。そんな中でいち早く終息の目処をつけて経済活動を再開した中国が他国から快く思われないのは、実態として当然の成り行きです。否定はできません。

一方で個人レベルでみると、世界への感染拡大の初期段階からそれを申し訳なく思い、他国からの非難の声に深く心を痛めている一般の中国人がたくさんいることは知っておくべきです。ある中国人は日本の友人に「中国のせいでみんなが楽しみにしていた東京オリンピックを延期させるようなことになってしまって本当にごめんなさい」とメッセージを送り、日本でマスクが入手困難になってからは友人たちにマスクを送る活動を続けています。微信や微博でもそういう人の話はたくさん見ます。

そういう人がいることを知っていくうちに、報道だけを見て「中国」のキーワード一つで国や14億の中国人を十把一絡げにして判断することの不毛さが分かります。正しい判断には個人レベル、自分自身の目で正確にみてそれを積み重ねていくことが必要で、そのためにはコミュニケーションが最も重要です。それができないのであれば、ただでさえ面白おかしく視聴者を煽るメディアの報道だけでものごとを判断すべきではありません。メディアの情報は注意深く事実のみを選択して(それすら難しいのが実態ですが)、あくまでも全体を大まかにみるだけの参考情報と位置付けるべきだと思います。

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