バイリンガル育成のポイント

日本と中国との交流が盛んになるにつれて国際結婚をされる方も増えてきました。私の周囲にも日本人と中国人の夫婦がたくさんいます。そういう方々の子供さんは簡単に日本語も中国語もできるようになる気がしますが、実際には幼少期からバイリンガルを育成するのはかなり難しいようです。ハーフの知り合いもいますが、両言語どちらも完璧な方はあまりいらっしゃいません。居住場所の言語に慣れ親しむ一方、もう一つの言語が維持できないケースが多いようです。その中で、ご主人が日本人、奥様が中国人のご夫婦で、息子さんの語学力を上手に伸ばしている方がいらっしゃるのでコツを聞いてみました。その息子さんは15歳で日本語と中国語がほぼ完璧、英語もマスター中です。奥様は中国大学の日本語講師です。

①  基本的に父親は日本語で、母親は中国語で子供と会話をするそうです。その効果は単に両方の言語をインプットするというだけではなく、気持ちが伝わるのが大きいそうです。人は母国語で話すのが最も自然で感情豊かに気持ちを表現できるので、幼い子供にでもしっかり伝わるそうです。

②  ①の基本は念頭においた上で、家庭内では非居住国側の言語を多めに使うそうです。例えば中国に住んでいると子供は自然に中国語に親しみますので、家庭内ではあえて日本語を多用するそうです。

③  話すだけではなく早いタイミングで文字を覚えさせる必要があるそうです。特に中国語にはない日本のひらがなとカタカナを早いうちに覚えさせて本を読めるようにして、幼少時点から言葉が耳からだけではなく目からも入ってくるように工夫したそうです。

④  言葉だけではなく双方の国の文化に触れさせて興味と理解を持たせる、これが最も重要だということです。アニメなどの子供が興味を持つものを年代に合わせて上手に与えたり、定期的に旅行してみたり。このご夫婦は、仕事の都合に合わせて数年間日本に住んで、子供さんを日本の小学校に通わせたりしました。友達ができるとやはり言葉の習得は速いそうです。

我々のような兼業学習者が参考にすべきは、やはり④の文化の理解だと思います。私は日本にいる頃は正直言って中国に興味を持つことは少なかったです。中国関連で興味を引かれることは特になく、あえて言えば中国史が好きと言う程度でした。しかし、中国が発展してくるにつれて中国発の文化や先進技術が生まれてきて次第に面白い国になってきています。中国語の学習を始めようという方は中国と何らかの関係を持つ人だと思いますので、言葉の詰め込みばかりで苦労するのではなく、中国の面白いところを見付けながら楽しく進めていきましょう。

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