愛すべき老中国:習慣の違い

中国人と日本人は同じ東アジア人として大きな意味では似ていますが、生活習慣は違います。近代化途上の中国の習慣は日本とは大きく異なり、興味深かったです。

挨拶や会話について、中国人は日本人ほどこまめに挨拶はしません。出勤して「おはよう」と言う人は稀ですし、帰る時に「お疲れ様」的な言葉をかけることもありません。「ありがとう」もあまり言いません。中国人からみると日本人は「ありがとう」を言い過ぎで、そんなにいつもお礼を言っていたら本当にお礼を言うべき時にありがたさが伝わらない、と批判されます。「すみません」や「ごめんなさい」もほとんど言いません。日本人なら謝まるような場面で謝らないのでムカっとしたりしていました。ただ、近年は若い人を中心にきちんと謝る人が増えてきました。声が大きくてよく話します。日本人からみると無駄に大きな声で話している気がします。ある人に聞いてみたところ、それは礼儀なのだと。「聞こえないような小さな声でゴニョゴニョ話すのは相手に対して失礼。大きな声ではっきりしゃべるように」と親から教育されているのだそうです。本当かどうかは分かりません。

飲食について、中国人は冷たいものは体に悪いという理由であまり飲みません。だから以前は店には冷やしたビールは置いていないのが普通でした。ぬるいビールで乾杯してなんとなく冴えない気分だったことを思い出します。お酒は強い酒から飲み始めます。だからビールなどは最後です。「とりあえずビール」が習慣の日本人にとっては最初から白酒が出てくるのは恐怖でした。そして飲む時は必ず誰かと軽く乾杯してから飲みます。一人で勝手に飲んではいけません。一人で飲もうとすると周囲の中国人が慌ててコップを取って乾杯してくるという経験をした方は多いと思います。そしてお酌はしません。日本の習慣で相手のお酒が減ってすぐに注ぎ足そうとすると怪訝な顔をされます。店にお酒を持ち込みむのが基本的にOKです。だから中国人が日本に来た際に、店で持ち込んだ酒を開封してたしなめられることが多々ありました。中国料理でお馴染みの回転テーブルは、時計回りにゆっくりと回すのがマナーとされています。中国では上下の関係に厳格で座席もそう配置されているので時計回りになったということです。ただ、方向はあまり厳密ではないそうなので、誰かが箸をつけようとしている時には止めることさえ守ったら大丈夫です。日本人は面白がってグルグル回す人が多いので要注意です。串焼きのステンレスのトレイに被せてあるビニールはかけたまま使います。洗うより剥がして捨てる方が速くて安いそうです。そして支払いですが、基本的におごるかおごられるかです。今回おごってもらったから次回は私がおごるということで、関係を継続するという考えです。割り勘はその場で関係を清算するような意味になるので好まれません。

近代化に伴って伝統的な習慣が薄れてきて、若い人などは見た目も言動も日本人と同じようになってきました。それでも電車に乗っていてお年寄りが乗ってくるとサッと席を譲る光景を見ると、やっぱり中国だなあと思います。いい習慣は継承していってもらいたいです。

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