日本人も中国人もハイコンテクストで意思疎通をする方だといえます。特に日本人はほぼ単一民族で閉ざされた島国で続いてきて、更に明治からは和を重視する教育が続いているので各人の価値観や考え方、常識が非常に似通っていて、いわゆる「あうんの呼吸」で言葉が少なくてもニュアンスや表情で互いの意図が伝わります。そのためはっきり全てを言葉にしないことが多く、その影響か論理的説明もあまり上手ではありません。中国人も世界的にはハイコンテクストの国だといわれています。(ただし地域差があり東北の方が言葉で表現する人が多いように思います。)しかし教育の賜物なのか、論理性は高い人が多いです。
その日本人と中国人がコミュニケーションをする場合、価値観や文化的背景が異なる訳ですから、自分の常識で言葉少なくコミュニケーションをしているととんでもない勘違いが生じるリスクがあります。特に日本人と中国人は外見が似ているので、無意識のうちに相手も自分と同じでは?と考えてしまうこともあります。間に通訳を挟むと更に難しくなります。
そのような関係なので、特にビジネスコミュニケーションの場面ではしっかり言葉にして論理的に説明することが大切です。更に日本語は曖昧で複雑な表現が多いので意識的に直接的な表現を用いる必要があります。論理的説明は因果関係を明確に言葉と言葉を繋いでいくことを意識すれば上手にできるようになります。日常のコミュニケーションでは誤解を生みながらもそれがスパイスになって分かり合うようなこともあるのでハイコンテクストコミュニケーションも面白いと思いますが、利害が生じるビジネスでは全て明確な言葉で論理的に伝えるようにしましょう。