見応えのある宴会芸

日本にはない中国の派手な演出の一つに宴会芸があります。以前は日本でも忘年会や社員旅行などで余興として個人や小グループでちょっとした芸を披露したりしていましたが、中国の宴会芸はそういうレベルではなく、数人のグループが何日もしっかり練習して衣装や舞台や大道具も揃えて本格的な歌や踊りを披露します。派手な宴会を慎む政策が取られてからは縮小しましたが今でも日本と比べたらずいぶん派手で見応えがあるものです。

15年ほど前からいくつかの会社の忘年会に何回か参加させて頂きました。その日のために芸を披露するグループでは2ヶ月くらい前から企画が始まり、1ヶ月くらい前から社内で練習が始まります。その時期には社内のあちらこちらで掛け声や歌が聞こえたり、集団で踊っていたりします。演劇の練習などもやっています。熱心なグループはほぼ毎日みっちり練習していて、こうなるともう仕事の進捗は絶望的です。上司も黙認というか奨励している様子でした。

そして当日、日頃仕事では地味でぼんやりした感じの人たちが、煌びやかな衣装に身を包み、華麗に(華麗でない人もいますが)歌い舞い、劇を演じる姿に驚かされます。中にはプロ級の歌や踊りを披露する人もいて感心させられたりします。大量の豪華な食事に高級白酒、当時は言葉が全然分からなかったので意味も分からずゲームに参加させてもらったりして、とても楽しいひと時を過ごさせて頂きました。何度もこういう宴会に参加させて頂くうちに私も何かやるべきかな?と考えて、学生の頃からやっている空手の形を披露したりしました。中国人にとっては珍しいのでそれなりに喜んでもらえたようです。

やっと忘年会が終わって仕事を進めようと思うと、今度は春節休暇に先立って一人二人と故郷に帰っていきます。そんな様子ですから忘年会シーズンから春節休暇明けまでは仕事は進まず、中国へはこの時期に出張するものではないということを痛感しました。

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