近くて遠い人間関係

中国人は日本人と比べて、知人との距離は近く、他人との距離は遠いです。この距離は物理的なものと心理的なもの両方です。親しくなると本当に近くなり、物理的なものでは至近距離まで接近します。異性の同僚でも日本人ではあり得ない距離に近付くのでドキマギする日本人は多いです。カップルや夫婦はもちろん、女性同士ではよく手を繋いで歩いています。心理的なものでは個人的な話を開けっぴろげに相談したり、頼ったり頼られたりしようとします。友達が困ったり病気になったりしたら、日本人には不必要と感じるレベルまで全力でサポートしようとします。そういう依存関係が親しさのバロメーターなのだろうと思います。もちろん個人差がありますし、大きく分けると北方の人の方が南方の人より距離が近い気がします。

対して他人との距離は遠いというか、ほとんど存在しないかのように意識しません。物理的なものでは自分が他人の邪魔になろうがなるまいが、迷惑を省みることなく自分の意思通りに行動します。ちょっとズレますが、車が来ようが電動自転車が来ようが一切見もせずに道を渡る人が未だにいて驚きます。よくこれまで事故に合わなかったものだなどど思いますが、それは私が見ていないだけで、実際には交差点で車が来ているのに自分が向かう方向に駆け抜けようとして轢かれる事故が多発しているようです。あるいは遠くの友達と話すのに目の前に人がいても大声で呼びかけます。心理的なものでは、自分と無関係な人はどうなろうが知ったこっちゃないといった感じです。食品に有害な化学物質などを入れて売り上げを伸ばそうとする食品業者の心理はその代表的な例だと思います。

日本人と中国人のどちらが良いとか悪いとかという話ではなく、そういう違いがあることを理解していれば余計な誤解や軋轢を生じずうまく対処できます。異文化コミュニケーションでは相手を知ることが自分を知ることと同じレベルで重要だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です