汉语水平考试(Hanyu Shuiping Kaoshi)はノンネイティブを対象とした中国語の能力試験です。中国への留学や企業への就職の際に能力確認に使われる認知度・信頼度が高い試験です。試験を受けることにすると明確に期限が決まり強制力が働きますので、集中的に学習するようになります。これは学習を効果的に進める上で非常に重要です。人間自己を律する力は弱いもので、目標や期限を決めても忙しいとか体調が悪いとか自分に言い訳をしてペースダウンしたりやめてしまったりします。受験の申し込みですら、まだ受験するレベルに達していないとか、時期的に勉強時間がとれないとか、言い訳をして先送りしがちです。何も考えずに機械的に申し込みましょう。とにかく退路を断つ、これが何より大切です。
リスニング、文法、リーディング、語彙等のコラムでお勧めの学習方法を紹介していますので参考にして下さい。それらに加えてHSK用の勉強をすることをお勧めします。まずはHSK対策教材で問題を解くための知識とコツを学びます。私が使ったのは「新HSK考试辅导教程」でとても良かったのですが、アマゾンでは4級編しかありませんでした。私は使っていないのですがフルーエント外語学院(中国語指導が非常に優れています)が出版している「最強の学習法」が良いかもしれません。
【全新正版】新HSK考试辅导教程(4级) 陈香 9787040340730 高等教育出版社
そして重要なのが過去問をやり込むことです。HSKでは過去に出題されたものと類似した問題が出ることが多いからです。3年分くらいは繰り返しやりたいところです。
そして模擬試験問題をやります。試験と同じ時間配分で何度もやってみましょう。リスニングでは音声が始まる前に解答選択肢を素早く読むとか、分からない問題はすぐに捨てて切り替えるとか、リーディングでは確実に得点できる長文読解から始めるとか、同じく解答選択肢を先にチェックするとか、文法問題は先に明らかな間違いを見付けて、等々、いろんなノウハウがあります。時間配分を合わせてその訓練をして、自分に最も適した解き方を見付けましょう。模擬問題の教材は日本のものは主にリスニングやリーディングに特化したものなので、フルバージョンの試験問題が複数回ある中国の問題集をお薦めします。実際の試験より若干難しいので、思うように得点できなくても落胆せずに、トレーニングと割り切って進めて下さい。
学習以外で私が経験した問題と対策を紹介します。参考になさって下さい。
①試験会場が分からない:中国で受験する場合、ネットで案内された会場がどこにあるのか事前に調べておかないと当日行き着けない可能性があります。私は5級を長春の吉林大学で受けたのですが、吉林大学はキャンパスが複数あり、しかも一つ一つがとても大きいので、HSK会場案内がある所に辿り着くまで迷いに迷って、時間ギリギリで教室入りしました。◯◯大学の場所は知ってるから大丈夫と安心せずに、事前に一度会場まで足を運んでおくことを強くお勧めします。
②受験者が多くて騒がしい:4級や5級は留学生受験者が多いです。記念受験なのか余裕なのか、試験前も友人とおしゃべりを続け騒がしいことこの上なしです。直前まで詰め込み作業をする私にとっては大変迷惑です。そういう事態を想定して耳栓を持っていく等の騒音対策をすることをお勧めします。(6級試験の時は受験者が少なく皆さん静かでした。)