自分をその気にさせる(★★★★)

何事もモチベーションや好奇心によって上達するものだと思います。そして好きになる、楽しくなる、そうすれば努力も苦にならなくなります。もちろん中国語の学習も同じことが言えると思います。モチベーションを上げるにはどうすれば良いか、私自身がやる気になった出来事から考えてみます。

まずは「褒められたこと」です。仕事で中国を担当することになって、どちらかと言うと仕方なく中国語を始めた私です。正直言って大して興味もありませんでした。だから最初は「生活の必要最小限の会話ができるようになればいいかな」というモチベーションが低い状態でたらたらと勉強していました。そんな中、最初にやる気になったのは褒められたことがきっかけです。どちらかというと与えられたタスクは真面目にこなす方なので、先生に宿題として課せられた単語と拼音覚えることを毎回淡々とこなしていきました。すると、他にはそういう生徒がいなかったのか先生がすごく感心し「真面目だ、頭が良い」と褒めてくれました。私は極めて単純にできているので、これですっかり気を良くして前向きに取り組むようになりました。以降、「字が中国人より綺麗だ」とか「発音をマスターするのが速い」とか言われるたびに脳内麻薬が分泌され、モチベーションが高まっていきました。今にして思えば私をやる気にさせるために先生が少しでも良いところを見付けて褒めるようにして下さっていたのだと思います。その目論見は見事に当たりました。そのようにしてハイテンションを維持して学習を続けたのでHSK5級にも比較的早く合格しました。「仕事をしながらそんなに早く合格できる人はいない」(実際にはたくさんいらっしゃるのですが)などと最後まで誉め殺しにあい、そのいい気分が今も尚続いています。先生に感謝です。

次に「聞き取れるようになったこと」です。中国語を習っていない時は、当たり前ですが中国人の会話がただの雑音にしか聞こえませんでした。しかも一般に中国人の声は大きいですし公共の場でも周囲の迷惑を気にしないので、正直言って不快なことが多かったです。それが、学習を進めていたある時、街で聞いた簡単な会話が完璧に聞き取れたことがあったのです。これは私にとっては衝撃でした。それまで雑音にしか聞こえなかった音が突然意味がある言葉に変わったのです。それに伴って中国人への親近感も突然高まりました。意味不明の雑音を発する外国人からコミュニケーション可能な隣人になった瞬間でした。

そして「会話ができるようになったこと」です。中国語の先生と勉強に付き合ってもらっていた運転手さん以外の人と、初めて中国語で会話できた時は嬉しかったです。もちろんごく簡単なやりとりですが、それまで通訳さんを介して話していた人と直接意思の疎通ができたのは感動でした。なかなか進歩しないけど諦めずに続けてきて良かったと心から思いました。

振り返ってみると、語学を学習する人にとってごく当たり前の事に、当たり前の感動と達成感を覚えてきたのだと分かります。そしてその時の感動を思い起こすことで新たなモチベーションが湧いてくるように思います。嬉しかったこと、楽しかったこと、自分自身のストーリーを振り返って、自分をその気にさせる。モチベーション喚起に有効なことだと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です