中国では気軽に起業廃業を繰り返す人が多いという記事を書きましたが、有識者の方から今では状況が変わっているのでは?とのご指摘を頂きました。リーマンショックの際に温州市を始め多くの人が自殺した。昔は何度でも立ち上がれると言われていたけど今は逆に再起不能になる社会、気軽に起業廃業はしなくなっているのでは?とのことでした。そこで実際のところどうなのか、中国人の同僚8名に聞いてみました。
リーマンショックの時の温州市での自殺多発についてはみんな知っていました。経営難に陥った中小企業の経営者が夜逃げして、次に貸付金を回収できず出資者に返せなくなった高利貸し屋が夜逃げして、市民がパニックになり自殺者も出たそうです。ただ、同僚たちは、そこまでいったのは中国ではレアケースだという捉え方でした。
そして今回のコロナショックで自殺者は増えると思うか?と聞くと「自殺する人はいるだろうけど少ないと思う」とのこと。日本で自殺者が増えそうだと話すと「何故自殺などするのか?日本には自己破産制度もあるのなら死ぬほど困ることなんてないではないか?」自分は借金から逃れても社員や関係者を路頭に迷わすことになったのを苦にして…と言うと「中国人ではそれはあり得ない。逃げるだけ。自分が生きてさえいればなんとでもなる」と笑われました。そして「留得青山在不怕没柴烧 」ということわざを教えてくれました。青い山には木があり、木さえ残っていれば切って薪にできる。飯を炊くことができる、食える、生き残れる。転じて命さえ残れば希望はあるという比喩だそうです。
私の同僚たちが楽天的なだけかもしれませんが私の肌身感覚とは合致した回答でした。
とはいえ、様々な考えの人がいるのが中国です。今回のコロナで自殺する人もやはり少なくはないのだろうと思います。そんな中国の人たちにも「死ぬこと以外かすり傷」を伝えたいです。