日本人求人の変化と製造業の現状

仕事がら中国の製造業の会社から日本人技術者の求人の話をよく聞くのですが、20年前から内容が変わってきています。以前は工場の製造の専門家の需要が多かったです。製造現場の技能工や金型の仕上げ工といった技能職やトヨタ生産方式等の生産の効率化の指導等、日本の自動車会社の退職者などを招聘して指導を仰ぐというケースがたくさんありました。次に生産の高効率化や自動化、新製品の量産準備を学ぶために生産技術の専門家が求められました。やはり現役を引退した日本の技術者たちが数年間の雇用契約を結んで指導に出向いていました。それら生産関係のニーズは今でもありますが、最近では商品企画や開発の指導が求められるようになってきています。しかもOBではなく現役の第一線の技術者にきて欲しいという話が増えてきました。報酬も驚くほど高いものが多いです。直近では自動車シャシー開発のプロジェクトリーダー、年棒500万元以上というのがありました。

中国の製造業が真似て作る時代から大量生産の時代を経て、企画・開発ステージのグローバル競争に追い付こうとしているのだと思います。しかし自動車などではローカルブランドの評価はまだまだ低く、その理由は品質の信頼性が低いことです。中国の製品はすぐに壊れるから買いたくないという評価。つまり、製造業として最も基本的な品質の作り込みができていないまま、外資との開発競争に参入しようととしている、危うい状態だと感じます。ITなどの新しい領域では目覚ましい進歩を遂げていますが、旧来の製造業は伸び悩んでいるのが実態だと思います。モノ造りは一足飛びに成功するのは難しく、基本の積み重ねが必要です。中国製造業の課題はまだまだ多いと思います。

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