語彙を増やしていくのは語学習得の必須作業です。HSKでは等級によって語彙量の目安が示されていて、3級(基本的なコミュニケーションができる)で600語、4級(ネイティブと意思疎通できる)で1200語。5級(スピーチなどができる)で2500語、6級(自分の見解を流暢に表現できる)で5000語だそうです。HSKを受けないにしても語彙量が一定量以上はないとなかなか進歩しません。
単語は少しずつ覚えていくのではなく、参考書などを使って大量に丸暗記していくべきだと思います。HSKの定義によると4級で基本的な意思疎通ができる筈ですので、それに要求される1200語を無条件に丸覚えしていくべきだと思います。私は学習初期には先生の指導で一週間で150語〜200語を拼音含めて丸覚えしていました。単語は眺めて覚えたつもりで覚えられていないことが多いので、授業の始めに必ず覚えてきた単語の書き取りチェックをしていました。
拼音練習と単語丸暗記の時期はとても苦しくて何度も心が折れていたものですが、半年も過ぎる頃には分かるようになってきて次第に面白くなっていったものです。会話や文書の交信ができるようになると中国語での交流が楽しくなるので、更に楽しむために必要な単語を自ら覚えるようになります。こうなればしめたもので、どんどん語彙が増えていきます。
単語は私は中国のテキストで覚えていったのですが、後から使って良かったのがキクタンシリーズです。日本人は漢字を知っているので見るのは分かり易いですが、聞くのは発音が違うので練習しないと分かりません。キクタンは音とリズム+視覚で覚えていくので最適な教材だと思います。キクタンは中国語検定を想定して編集されているのでHSKとの直接の関連付けはないですが、入門編で504語、初級編で560語、合わせて1064語なのでこの2つでHSK4級=意思疎通可能レベルをだいたい網羅していると思われます。まずはこの二冊を丸覚えするのが良いと思います。
[音声DL付]キクタン中国語【初級編】中検4級レベル キクタン中国語シリーズ
その上の、初中級編で1008語、中級編が896語(+成語)、上級編が1008語(+成語)です。内容を見ると上級編などはかなり高度な内容で、HSK最高級の6級に必要な単語以上のものが含まれていると思います。個人的には中級レベルまで覚えたらHSK6級はなんとか戦えると思います。(HSK6級得点率7割程度の私は上級編に知らない単語がたくさんありますから)
HSKを目指す人にはそのものズバリの単語集があります。HSKの良いところは表明している範囲内で出題することです。効率的に覚えたいならHSK専用の単語集を使うと良いと思います。これにはHSK基本語彙集シリーズがお薦めです。通常単語には複数の意味がありますが、大胆に主要なものに絞り込んで覚え易く工夫しているように思います。例文があるのでどういう言い回しで使うのかも理解しやすいです。