中国人は長い歴史の中で培ってきた戦略や戦術に長けていて、交渉事が得意です。おっとり刀の日本人が丸腰で挑んでいったら軽く手玉に取られます。中国ビジネスに携わる人は孫子の兵法くらいは一読して、中国人は普通にそれくらいのことは考えていると認識していた方が良いです。
孫子とまではいかないまでも、交渉事でよくあるのが「初頭要求は大きく」というやり方です。売買価格など交渉して落とし所を探る場合、多くの中国人はビックリするほど大きな(小さな)値を提示します。私の経験上、多くの場合が自分が落とし所として期待している値の倍です。そこから始めると交渉を進めても最悪でも半分、つまり自分の期待値で落とせるだろうという計算です。実際日本人の初頭要求値はせいぜい二割から三割増し程度なので、まともに組み合って交渉をすると勝てません。
対抗策はやはり同じようにこちらも期待値の倍を初頭要求にすることです。実際にはこれでイーブンですから、相手が引かない範囲で倍+αの値を提示するのが良いです。そこからの交渉では日本人的な気遣いは一切不要で、ストレートに要求値をぶつけていくだけです。成立しなかったら困る商談もありますがそんなことは顔に出さず、クールに交渉を進めていくことです。