中華街は世界各地にあります。大きな所ではカナダのバンクーバー。香港が中国に返還されることが決まった頃から大きくなり始めたそうです。多くの香港の実業家たちがカナダの永住権を取得して中華街を大規模に開発したそうです。香港をめぐる情勢の変化から今後ますます大きくなるかもしれません。19年にバンクーバーに行った際に現地のタクシーの運転手さんが「お金持ちの中国人が欧州製の高級スーパーカーを買うのが大ブーム」と言っていたのを思い出します。アメリカのサンフランシスコや日本の横浜の中華街なども有数の大きな中華街だそうです。中華街は中国語では唐人街とか中国城とか言われますが「唐人街」という人気俳優によるシリーズ物のコメディー映画があるほど、中国国内でも認知度が高いです。
対して日本街というものはほとんど聞きません。中国には日本料理のレストランなどが集まっていて多くの日本人が訪問する場所はありますが、日本人が集まって街を形成している場所は聞いたことがありません。アメリカのロサンジェルスに日本人街がありますが小さくて寂れているそうです。私が行った南米や東南アジアの国々でも聞いたことがありません。特に南北アメリカには多くの日本人が移住した筈なのに何故でしょうか?不思議に思って調べているとある方が興味深い意見を述べていました。曰く、日本人が作るのは搾取社会だからコミュニティーは育たないということです。「現地の日本人でこの人を頼れば大丈夫というような名士はほとんどいない。現地でのし上がるために日本人が日本人を騙す、日系企業は現地採用の日本人の給与を抑えて働かせる、コミュニティーでは若い男性は力仕事、女性は雑用を押し付けられる。そんなことなら別人種のコミュニティーやローカル社会に溶け込んだ方がむしろメリットがある」ということだそうです。
多少極端な気はしますが、確かに日本人として外国で現地の◯◯コミュニティーや◯◯さんを頼れば大丈夫みたいな話は聞いたことがありません。あるとすればJICAとか商工会といった公的な組織です。逆に誰かを頼って海外に出て一旗上げようという人も少ないと思います。日本人同士といってもあくまで他人、基本は自分の力でやっていく、そんな人が多いと思いますし、人間関係が希薄だともいえると思います。
中国の中華街の場合は力がある名士がいて行けば助けてもらえる、助けてもらった者はビジネスで成功したらコミュニティーにお金を落としていく。そんな助け合いの構造を通して人と金と情報が集まる、それが世界中で中華街が繁栄している理由のようです。
どちらが良い、悪いという話ではないですが、日本人にも初めていく国に中華街みたいなコミュニティーがあれば心強いだろうとは思います。