中国出張でホテルに宿泊することが多かったので、ロビーに座り込んで訪れるお客さんたちのおしゃべりに聞き耳をたてたりしていました。人の会話を盗み聞きするようで少々気が咎めますが、中国人は声が大きく、他人に聞かれることなど全く気にせずに話す人が多いので、問題ないだろうと勝手に思っています。公共の場で大声で電話する人もまだまだたくさんいますし、トイレの個室でも大きな声で話しています。
ロビーに着いたらまずはいろんな話し声に聞き耳を立てて、普通話に近い言葉を話している人を探します。大きなホテルだといろんな地方からいろんな方言の人が来ていて、広東語や上海弁などは普通話学習者には全然分からないからです。ターゲットを見付けたらさりげなく近くに座ります。そして携帯をいじるふりをしながら全神経を耳に集中して聞きます。
ネイティブ同士の会話はとても速く、くだけた話し言葉も多いので聞き取りが難しく、まず何の話をしているかが分かるまでにしばらく時間がかかります。分からないまま去っていかれることも度々あります。ようやく何の話か分かったら、その領域の用語や知識を総動員して会話の流れから言うことを推測しながら聞くのですがやっぱり難しい。それでも頑張って聞いているとだんだん分かってくることもあってなかなか楽しいものです。
私のレベルで最も良いのは子供の会話です。子供は私が知ってるような言葉を使ってゆっくり話すので聞き取れる部分が多いです。話題は私には全く興味がないゲームやアニメの話とかなので面白くはないですが仕方がありません。小さな子供なのに私より上手に中国語を話す様を見ると「この子は天才か?人が苦労して勉強しているのにこんなに簡単に話しやがって!」と、感心するやら妬ましいやら、大人気ないことを考えてしまいます。