経済活動再開の先行事例

コロナウイルス対策で停止した経済活動を再開するのも判断が難しいものです。一刻も早く活動を再開すべきだが感染が再発してはいけない。中国の取り組みを参考に記録しておきます。

中央政府が出した方針は「新規感染者が一定期間以上発生していない市は、感染防止策が徹底できているかを確認した上で、市の責任で慎重に再開をしても良い」といったものでした。この「責任」の認識が厳密で、感染者を出したら責任者一同クビになります。だから全員必死で取り組みます。そして市政府は、空港や駅など流入の窓口になる場所のチェックは継続し、公共の場所の消毒等や小区への入場の際の検温等を継続しました。そして営業再開を希望する各会社にある条件を基に承認を与える方法をとりました。社員とその家族に感染者がいないこと(いる場合は隔離されていること)、感染防止の取り組みが明文化されており実際に実践されていること、マスクや消毒液などの備蓄が一定数以上あること、等が審査されました。これも感染者が出たら経営者の責任を厳しく問われるので、経営者は必死で取り組みます。そして企業は承認された内容を忠実に実行し市政府はそれを監査します。

企業の対策は、通勤は自家用車か会社のバスを使う(公共交通機関を使わない)、体温管理を行わせ発熱者は出勤させない、入構時に検温を行う、事務所の窓や扉は開けておき触れさせない、エレベーターは停止、会議はWebを基本とし会議室に集まる場合は人数を制限し距離を保つ、食事は弁当式にして食堂に集まらず各自の席でとる、マスクを常時着用の上無駄な私語は禁止、社内の定期消毒、といったものでした。そして社内の安全担当部門が実施状況を確認し、違反者は全社に開示の上上司に罰金を課しました。出張や社外の人の訪問は禁止し、様子を見ながら慎重に再開しました。

結果として南京では社内で新規感染者が発生した会社はありませんでした。(2020年4月20日時点)

考えられうる対策は全て実施した上で慎重に再開していったということです。特徴は上位組織から末端まで責任を個人レベルで明確にして管理を徹底することです。これは関係者が本気になって取り組むという優れた作用がある反面、そのプレッシャーが隠ぺいを生むというリスクもあるとは思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です