よく「中国人は面子を重んじる」といいます。そう言われるとなんとなくプライドが高かったり取っつきにくいイメージを持ってしまったりするのではないかと思います。私も異文化交流の講座でそう教えられて、少し構えて応対してきました。しかし、15年ほどの中国人との付き合いを経て思うのは、「面子を重んじるのは日本人も同じ、むしろ日本人の方が気にするのでは?」ということです。つまり日本的常識で付き合えば、中国人との交流において過度に気を付けることはないと思います。
もちろん「大勢の前で非難しない」とかの配慮は必要ですが、それも日本人には常識的に判断できると思います。中国も日本も儒教がベースになっている点で共通性が高いのだろうと思います。
日本はその上に「恥の文化」といわれる、他人に対して恥ずかしい振る舞いをしたくないという観念があって常に言動に気を配っているので、非難されると大いに狼狽えたりします。
中国人で特徴的だと思うのは、他人を慮るがあまりに会議などで人の意見に反することをあまり言わないため、なかなか結論を導き出せないことです。個人では直接的で分かりやすい性格の人が多いのに、集団になると急にモゴモゴした感じになってしまうのは、そういうところに原因があるのだろうと思います。