愛すべき老中国:今なら分かる不可解な言動の理由

古代中国は世界の文明を開きました。老子、孔子、荀子など優れた思想家も多く輩出しました。世界に先駆けてさまざまな発明をし、世界の発展に貢献しました。中でも「紙、印刷、火薬、羅針盤」は四大発明と言われ、後世の私たちもその恩恵を受けています。また、科挙制度を高度に発展させ、優秀な人材を数多く輩出しました。日本は昔から中国から学びながら発展してきました。そんな偉大だったはずの中国人が、近代になって何故他の地域より遅れてしまったのか、マナーの悪いパクリ国家になってしまったのか、もともと中国の歴史が好きでその素晴らしさを知っている私には本当に不思議でした。

ほんの10年前まで、一言で言えば「自分さえ良ければそれでいい」という人ばかりでした。順番を守らない並ばない、我先に取ろうとする。公共の場はゴミを捨て放題、唾を吐き下水や残飯を辺り構わず撒き散らす。野菜には水、肉には油を注入して高く売ろうとする。カニの腹に漂白剤をかけて白くして高級蟹だとして高く売ろうとする。廃油を再利用して調理して平気で客に食べさせる。言い訳ばかりして全く仕事をしない。失敗は全て他人のせいにする、等々。そこには古代の偉大な中国人の片鱗はおろか、知性のかけらも見当たりませんでした。怒りを通り越して悲しくなるような出来事ばかりでした。中国人はこんな人ばかりになってしまったのだと思うようになっていました。或いは仕事などでは、反日教育もあり日本人が嫌いだからむやみやたらと反発してくるのだろうと思っていました。

様子が変わってきたのは若い世代が育ってきてからです。80后と呼ばれた世代の人たちは、いろいろな問題は指摘されながらもしっかりとした教育を受けていて、近代人として常識的な判断ができる人が増えてきました。今となっては大変失礼なことですが、その時私は「中国人でもちゃんと教育を受ければちゃんとした人になるんだ」と心の底から驚ろきました。

そう考えるとやはり疑問なのが、以前は何故あんなに自分勝手でいい加減な人が多かったのか?ということです。同じ血を引いているのに若い人たちができてその前の人はできないというのは、時代環境と教育の欠如が原因だったのだろうと思います。内乱と戦争、その後の計画経済、文化大革命。あの時代とその影響を受けた世代がたくさんいたということだと思います。仕事はやってもやらなくても同じ、物資が足りない中、並んでいても自分の順番は来ない、我先に自分から取りに行かないと家族が飢え死にしてしまう。或いは人はいくらでもいる、自分が多少頑張ろうが頑張らまいが替えなどいくらでもいるので最初から諦めている。そんな環境で生きていたら自分勝手になるのは無理もないことだったのだろうと思います。

経済的に奇跡的な発展を遂げてきた中国、でも名実共に世界から尊敬される近代国家になるのはこれからだと思っています。

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