中国語の文章を読む時に苦労するのが外来語の中国語表記です。特に欧米人の名前は難解でなぞなぞのように感じます。読む時だけでなく聞いてもよく分からないものが多いです。HSKの試験にもよく出てきます。HSKは世界中の人々が受験するので、典型的な名前のアメリカ人がよく登場するからです。
何か良い覚え方はないものかと成り立ちや法則を調べてみました。漢字による音訳、つまり表音表記が原則で、その場その場で適当に表記するのではなく、用いる漢字がほぼ決まっているそうです。新語の場合はメディアなどで使われ出したものが浸透していくイメージですが、一般には新華社通信の表記に従う例が多いそうです。また、「可口可乐」(コカコーラ)などの商標は、各企業が字義の好ましいものや商品イメージに近い漢字を定めて使用することが多いようです。ネットで調べたら英語仮名に対応する漢字のリストがあるにはありましたが、標準化されているとはいえかなりの数なので、これを覚えるのは大変だと思います。我々学習者は新語を作る側ではなく学ぶ側の人間なので、既存の一般的な言葉を覚えていくだけでいいと思います。以下に一般的な名前の漢字記述を紹介しておきます。これくらい覚えておけば少なくともHSKで困ることはないと思います。
●男性名: 『迈克尔(Màikè’ěr)マイケル(MICHAEL)』 『约翰(Yuēhàn)ジョン(JOHN)』 『詹姆斯(Zhānmǔsī)ジェームズ(JAMES)』 『罗伯特(Luōbótè)ロバート(ROBERT)』 『威廉(Wēilián)ウィリアム(WILLIAM)』 『大卫(Dàwèi )デイビッド(DAVID)』 『理查德(Lǐchádé)リチャード(RICHARD)』 『查尔斯(Chá’ěrsī)チャールズ(CHARLES)』 『约瑟夫(Yuēsèfū)ジョゼフ(JOSEPH)』 『托马斯(Tuōmǎsī)トーマス(THOMAS)』
●女性名: 『玛丽(Mǎlì)メアリー(MARY)』 『海伦(Hǎilún)ヘレン(HELLEN)』 『安娜(Ānnà)アンナ(ANNA)』 『伊丽莎白(Yīlìshābái)エリザベス(ELIZABETH)』 『詹尼弗(Zhānnífú)ジェニファー(JENNIFER)』 『艾米丽(Aimili)エミリー(EMILY)』 『琳达(Líndá)リンダ(LINDA)』 『玛格丽特(Mǎgélìtè)マーガレット(MARGARET)』 『帕特丽夏(Pàtèlìxià)パトリシア(PATRICIA)』
ここまで書いて改めて読みかけの大ヒット作「流浪地球」を見てみると、これら以外の名前がバンバン出てきます。やはりそう簡単には対策できそうにありません。中国人の知人からは「最初の2文字だけ覚えれば大丈夫」とアドバイスをもらいました。
あとは国名、都市名も覚える必要があります。こちらはネットで検索するといくらでも出てくるので、自分で一覧表を作って覚えるといいと思います。国名については、中国在住でスポーツ観戦が好きな人なら、テレビのスポーツチャンネルでサッカーやバレーボール、テニスなどの国際大会が頻繁に放映されるので、それを意識的に眺めていると結構覚えられます。