愛すべき老中国 : 無茶な運転

私は中国以外でも仕事をしてきましたが、車の運転が最も無茶なのは中国でした。南米や東南アジアなどで「めちゃくちゃ飛ばす」とか「対向車が来ているのに追い越す」とかの「荒い」「危ない」無茶は多々ありましたが、中国の無茶というのはそういうのとは別の種類です。一言で言えば「スキがあればとりあえず頭を突っ込む」です。一般道路でも交差点でも車線は全然守らず、前が空いていたら頭を入れた者勝ちとばかりにどんどん突っ込みます。割り込みとか他車の侵入防ぐとかは普通のテクニックです。だからロータリーや交差点はいつも大渋滞。ちょっと待って通してやれば全員がスムースに流れるのに、自分がいつまでも行けないと思うのか、とにかく突っ込みます。対向車線にはみ出して抜けようとするのも当たり前、歩道に乗り上げて抜けようとするのも当たり前です。公園に侵入したり、その手があったか!と思わず感心するような抜け方をします。一人が抜けたらそこにみんなが殺到するので対向車線も歩道も塞がってまた膠着します。

そして事故。そんな運転をするのでそこら中でぶつけたり擦ったりします。日本だったら事故車両を交通の邪魔にならないところに移動して話をするのですが、中国では現場検証は警察の立会いのもとで現場でやらないといけないので、道の真ん中でストップ。これに堰き止められてまたもや大渋滞です。

言葉は悪いですが「この人たちはバカなんじゃないか?」と本気で思っていました。一旦譲れば流れるのに誰もが譲らないからみんなが動けず、誰もがクラクションをブーブー鳴らしながら膠着状態。腹が立つのを通り越して笑ってしまいます。どこの国にもこんなおバカな渋滞はありません。これがなくなった時、つまり譲れば自分も早く行けるのだと気付いた時に、中国は発展するのだろうと思っていました。

そんな中で唯一感心したのが誰もが怒らないことです。割り込みをされると日本であればムッとして怒鳴り合いになったりもしますが、中国では無表情、あるいはニコニコ話しながらでやり過ごします。中国人は心が広いんだなと思っていました。今考えると彼らにとっては当たり前で怒るようなことではないということだったのでしょうが。

今でも中国の運転は決して良いとは言えませんが、以前と比べると少しマシになりました。年配の人の運転は相変わらずですが若い人はスマートです。予測した通り、中国が発展したのは運転状況が改善したから、そしてまだまだ発展の余地はあると思っています。

因みにクラクションですが、日本では危険状態を警告するために鳴らしますが、中国では「私が通るから避けてよ」という意味で鳴らします。車もバイクも電動自転車も自転車もそうやっていちいち鳴らすのでうるさいことうるさいこと。自分が交通ルールを無視していても遠慮なく鳴らします。歩道でいきなり真後ろで電動自転車にクラクションを鳴らされたりすると思わず怒鳴りたくなります。(たまに怒鳴ります笑)通勤バスのクラクションが使われ過ぎて「ぷあア〜」みたいな弱々しい音になっていたことを思い出します。最近になってようやくクラクションを禁止する区域ができてきました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です