仕事などで通訳さんを入れている人限定の工夫にはなりますが、通訳さんが行う日本語と中国語の変換による意思伝達の「変換」に注目して「自分の日本語を中国語にどう変換しているか/相手の中国語を日本語にどう変換しているか」をしっかり確認するというものです。具体的には、例えば会議などで自分が日本語で話すと通訳さんが中国語に変換して相手に伝えますので、その際になんと言っているかしっかり聞いて重要なものは書き留めて覚えます。資料の翻訳でも同じで、自分の日本語がどんな中国語になっているか、キーワードや重要な文章だけでも抜粋して覚えます。自分がよく使う言葉の中国語での言い方が分かるということなので自分にとっては活用し易く、表現の幅が広がります。徹底してやれば表現力はかなり上がると思います。逆もまた然りで、中国語がどう日本語に変換されるか確認することで表現を学びます。
いくつか留意点があります。まずはレベルが高い通訳さんを選んで実施することです。通訳さんの中にはレベルの低い人もいます。なんちゃって通訳さんが間違った通訳をしているケースも多々あります。こういう人の変換結果を丸覚えしてしまうととんでもないことになってしまいます。通訳さんのレベルを見極めるのは中国語が分からないうちは難しいですが、日本語でしばらく話してみて怪しいなと感じる人はまずダメです。そして会議をしても話が噛み合わないことが多々ある人、通訳さんが原因ではないかもしれませんがやめておくのが無難でしょう。
留意点二つ目は、重要な会議ではやらないことです。通訳さんの変換を確認したりメモしたりすることに集中し過ぎると相手の反応を確認するのが疎かになります。行き過ぎると相手が何を言ったか聞いていない=全然仕事をしていない、中国語の勉強をしているだけの状態になります。これではさすがにまずいので、自分が余力を持って臨める会議や打ち合わせの際にやるのが良いです。自分ではなく他の人の発言を活用するのも良いでしょう。
通訳さんのその他の活用方法ですが、気の利いた通訳さんは所属する業界の専門用語集を作ったりしているのでそれを提供してもらうのも良いと思います。一般の学習書や辞書には載っていない専門用語が分かります。ただ、通訳さんにとってはこれは自分自身のノウハウ集なので開示したくない人が多いと思います。親しくなって信頼関係ができ上がってから相談すべきと思います。無理強いはいけません。