中国の友人たちと一緒に活動をし喜びを共有する、これは私にとって一番のモチベーションです。
ある時中国の大学で日本語を教えていた先生にお会いしました。日本語を教えるにはその背景にある日本の文化も教えていくことで教育効果が上がるということでした。日本の文化を体験するために着物を着たり生け花や茶道をやってみたりされていました。私はこの話に興味を持ち、私が学生の頃から続けている空手を教えましょうかと申し出て、やってみることになりました。対象は入学したばかりの一年生、日本語がまだ上手ではないので二年生の子が通訳としてついてくれました。この学校では文化祭があり各学部が出し物をするのですが、そこで空手の演武をやることにしてそれを目標に半年間、週二回から三回の練習を始めました。初めは日本人と空手に戸惑っていた学生さんたちも次第に慣れてきて、私の下手な中国語と学生さんたちの下手な日本語の愉快なコミュニケーションが始まりました。空手の練習も大いに盛り上がり、半年間で基本的な形と約束組手ができるようになりました。そして文化祭では全員が一糸乱れず見事な演武を披露しました。感動しました。
そして先生はその後の学生さんたちの日本語習得の伸びに着目し、クラブの活動が学業に与えた好影響の要因を分析して論文を発表されました。
この空手クラブのメンバーは家族のような関係になりました。学生さんたちは今ではそれぞれ就職したり日本に留学したり大学院に進んだりしていますが、今でも微信で連絡を取り合いますし一緒に食事をしたりしています。まさに日中友好の架け橋になっています。
私はその後も別の大学で空手を教えています。教え子がどんどん増えてきてとても嬉しいです。
私の活動はやや特殊な例かもしれませんが、目標を持って一緒に頑張る、苦楽を共にすることで絆が生まれるというのは本当に幸せなことです。交流を深めるために中国語の学習にも力が入ります。皆様も仕事以外にも仲間を作りいろんな活動を通して交流を深められることをお勧めします。