通訳さんは外国人同士のコミュニケーションに重要な役割を果たします。見ていると毎日毎日大変な苦労をされているのが分かります。
まずは下手な日本語を通訳させられることです。私は日本人なので詳しくは日本語しか分からないのですが、日本人が聞いても何が言いたいのか分からない人は沢山います。当然相手側にもそういう人はいる筈です。そういう人の通訳をする時、何と訳したら良いのか分からない様子がありありとうかがえ、気の毒になります。内容もさることながら、方言がきつかったり、ぼそぼそ喋って聞こえなかったりする場合も大変苦労されています。はっきりものを言う通訳さんは、「何が言いたいのか分からない。一度頭の中で整理してから話して下さい!」とか「もっと大きな声ではっきりと話して下さい!」とかズバズバ言って、日本人がタジタジになるようなケースもよくあります
あるいは板挟みになってしまうことです。双方の主義主張が違う時には、間に入っている通訳さんがどちらからも嫌われてしまったりします。「私が怒っている時はあなたも怒った口調で、感情を込めて訳して話して下さい」などと言われると本当に困っています。結果的に双方に対して怒った口調で話すころになるので、どちらからも反感を持たれてしまい、何故だか通訳さん一人が嫌われ者になってしまったりします。
そしてやっぱり一番苦労しているのが飲み会です。一対一ならまだしも、大勢が参加する宴会に通訳さんが一人だと、全員が勝手気ままにいろんな角度から話す訳ですから、とても対応できません。ちょっと会話が途絶えた隙にサッと食べようと思っても、またすぐに誰かが話し出します。そうやってなかなか食べられないのですが、お酒だけは何故か一緒に飲まされます。そうして喋り疲れてクタクタ、空腹のところにキツイ酒を何杯も流し込まれフラフラ、そうやって可哀想な通訳さんの夜は更けていくのです。
そんな通訳さんたちを見ていると、私は仮に中国語が上手くなったとしても、通訳をするのは無理だと痛感します。そんな苦難をものともせず、いつもタフで明るい通訳さんを心から尊敬しています。