私は中国経験が比較的長いのでいくらか中国贔屓になっていることは否めませんが、私が中国と付き合い始めた頃に比べて、教養があり洗練されマナーが良い中国人が増えたことは間違いありません。ずっと日本にいて報道でしか中国を知ることがない多くの人たちにとっては、中国人は今でも油断ならない大国のマナーを知らない迷惑な人たち、いわゆる「困った隣人」なのだろうと思います。確かに15年前に社会の第一線で活動していた30代〜50代、その中でも年配の人たちにそういう人が多かったのは事実です。私も当時はそんな中国人たちが大嫌いで、散々喧嘩もしましたし中国の仕事から逃れることばかり考えていました。中国語も全く学ぶ気になれませんでした。そのイメージに加えて大挙して日本にやってきた爆買いツアーの傍若無人な振る舞い、それに国際政治に関する悪い面ばかり強調するかのような報道が拍車をかけ、中国人に対してネガティブなイメージしか持てなくなっているのは理解できます。
しかし、中国人は劇的に変わってきています。以前は国内で「ちょっと変わった新世代」みたいなやや非難を込めた意味合いで80後とか90後とか言われていた人たちは、前世代の人たちと全く価値観が違い、洗練された人が多いです。もちろんそうでない人もたくさんいますが、以前のように誰一人として話が噛み合わないなどということはありません。私自身はそういう人たちより一世代上なので同年代同士の親しい付き合いは難しいですが、若い方々は素直に付き合ってみると価値観が合う人もいて良い友達になれると思います。特に日本に留学するような中国人は日本に何らかの興味があるので交流し易い筈です。
身近に中国人がいる人は一度偏見を捨てて互いに1人の人間として正面から交流してみて下さい。良い友達になれる可能性は大きいと思います。友達になり一緒に行動したりするようになると、中国語学習のモチベーションが高まり、中国語力は飛躍的に向上します。言語はコミュニケーションツール、コミュニケーションを楽しめることが習得・習熟に最も有効です。