機密管理は企業の競争力をマネージする上で重要ですが中国では日本よりも機密漏洩のリスクが高いので注意が必要です。理由は先ずは個人の機密管理意識が低いことです。中国は急激に発展しましたがビジネスセンスやモラルは未だ発展途上です。機密管理認識はあってもその範囲や深さには個々人でバラツキがありますし、機密が漏洩したらどんなダメージを受けるか知らない、或いは会社を守る意識が日本人ほど高くないので軽く考えていたりします。機密管理ルールを明確に決めて(対象、管理方法、漏洩した場合の影響、違反時の罰則等々)、更に罰金制度を加えることが有効です。
更に難しいのが転職者の機密管理です。日本人に比べてキャリアアップのために転職していく人がたくさんいますが、その際に機密情報を個人の資産として持ち出す人がたくさんいます。これも退職時の持ち出し禁止ルールを明確にする必要がありますが、データ等は確認が難しいのが実態です。退職後にも発覚が漏洩した場合は追求することをルールに織込むくらいです。
そしてよくあるのが、転職した人も職場や職場仲間の懇親会に呼ぶことが多いのですが、そこで開発や技術の進捗や品質問題等々の機密情報を話題にするケースです。アルコールも入って饒舌になり、機密管理意識も希薄になって社内にいるのと同じ、時には踏み込んだ話をします。これを制限するのは極めて難しいです。冒頭の個人の機密管理意識を相互注意ができるレベルまで高める必要があります。