中国の治安が良い理由に政府による治安維持活動や管理社会があげられます。確かにその寄与度は大きいと思います。ただ、中国で生活して人と触れ合っていると、元々悪人が少なく善良な人が多いのではないかと感じます。もちろん管理されるから悪事を働けない=善良になるということは大きいと思いますが、世界一治安が良いといわれる日本と比べても「危ない人」が少ないと思います。
日本で危ないといえば、様々な暴力集団、カツアゲや引ったくりなどの金銭強奪、親父狩りや不良者襲撃などの暴力行為、痴漢や強姦などの性犯罪等々、いろいろあります。夜の街には怪しい人がたくさんいて、ぶらついていたりコンビニにたむろしたりしていたりします。中国(少なくとも私が居住した一般の都市)ではそういう輩を見ることはまずありません。日本人の、特に男性は大なり小なり悪ぶることをカッコいいと思っている部分がありますが、中国人にはそもそもそういった価値観がないように思えます。
何故なのか?論理の飛躍かもしれませんが、それは長い歴史の中で良いことも悪いことも経験しながら育んできた中国人の倫理観なのではないかと想像します。短期的には近年の低迷を経て自分本位でマナーが悪い人たちが増えて評価を落としたものの、元々は世界に冠たる優れた文明国、根本にはその倫理観が脈々と息づいていて目先の衝動に左右され難いのではないかと思います。故事成語が語り継がれてきていることなどでもそれがうかがえます。
いずれにしても現代の中国の日常生活において「危ない人」が日本よりもずっと少ないことは事実です。社会制度にしても倫理観にしても、日本が見習うべきことは多いと思います。