「目は口ほどにものを言う」と言いますが目だけでなく、表情やしぐさ、外見といったボディランゲージから伝わる情報量は膨大です。表情筋の動きは心の中にある喜びや悲しみ、驚きや恐怖、軽蔑や嫌悪、怒りなどの感情が現れます。姿勢やジェスチャーからは、不安や動揺、プライドや自信、興味や関心といった情報が現れます。そのようなボディーランゲージを読み取る方法を教育・訓練している人もいます。これができれば面接やプレゼンテーションだけでなく、セールスや交渉などでも、会話を有利な方向へ導いていくことができるようになります。
言語学習者としてもボディーランゲージを理解することは重要です。言葉に気を取られ過ぎるとボディランゲージで発せられている重要な情報を見落とすことがあるので要注意です。聞いた時には分からなかった言葉もボディーランゲージで読み取れたメッセージを考え合わて理解できるケースも多々あります。発信の際にも言葉が分からなくても身振り手振りで伝えようとすると、相手が「○○のこと?」と確認してくれるので、その言葉を覚えることで言語力が向上します。
中国人のボディーランゲージは欧米人よりは多くありませんが、日本人よりは多いイメージです。喜怒哀楽がはっきりしていてそれが語調や表情、仕草に現れます。ただ、ゼスチャーで伝えようとするような工夫はあまりせず、あくまで言葉で伝えようとします。ゼスチャーはあまり上手ではありません。そのような中国人のボディーランゲージの特徴を理解して丁寧に観察すれば得られる情報が増えて会話が豊かになりますし、それに合わせて中国語の知識も増えていきます。
言葉が分からないからと臆するのではなく、ボディーランゲージを交えて積極的にコミュニケーションをとることで、相互理解と中国語力向上に努めましょう。