「拼音の苦行」に耐える(★★★★★)

「楽しく学習する工夫」に入る前に、楽しくなくても必ずやるべきことをお伝えします。それは「拼音の苦行」に耐えることです。

一般に中国語学習ではまず最初に「拼音」を練習することになると思います。私はこれは本当に大切だと実感していますし、知人にも同じ意見の方が多いです。

私も中国で中国語語学校に入学して先生についてもらって拼音から始めた訳ですがこの先生が(良い意味で)非常に厳しく、最初の三か月は拼音だけを妥協なく練習させられました。中国語の発音は日本語にはないものが多いため日本人には習得が難しいものがたくさんあります。いい歳したおじさんが若い女性の先生に叱られながらうーうー発音の練習をするのははっきり言って大変な苦行でした。少しでも違っていたら、本人は違っていると認識できもしないのにおかしいと指摘され、出来の悪い子供のように何度も練習させられる。おじさんのプライドも何もあったものではありません。第一回目の授業で直ぐに心が折れて、その後は嫌々ながらも「お金もはらったことだし」と義務的・機械的に教室に通っていた次第です。

なんとか苦行をやり通し合格点をもらう頃には、相変わらずうまく喋れている気はしないものの、聞いた単語が何であるかはおぼろげながら分かるようになっていました。基礎がしっかりできたのか、今でも発音が上手い(もちろん日本人にしては)と褒められることがありますし、何よりリスニング力の向上に大いに貢献しています。

一方で、私と同じくらいのタイミングで学習を始めた人の話なのですが、その人は元々中国語が大好きで日本にいる時に独学で基本的な勉強を済ませていました。それはそれで良いのですがいざ本格的な学習を始めると独学で定着したクセが抜けず、なかなか上手く発音できません。先生には「一旦独学でやったことは全て忘れて下さい!」と言われ続けましたが結局それもできませんでした。「まあ中国に永住して毎日話すわけではないのでいいか」などと言っておられましたが、問題は話せないことだけではなく、音が判別できずにリスニング力がなかなか向上しないことでした。その後も毎日通勤時間も昼休みも就業後も中国語を勉強するような熱心な人でしたが、結局あまり進歩しないまま出向を終えて帰国していきました。

特に拼音など、教わらないと正しい状態が分からないものについては独学は控えめに、苦しくても恥ずかしくても挫けず粘り強く、という教訓でした。実際にこの段階で黙って退場していかれる方は多いです。なんとかやり遂げましょう!

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