記憶を定着させるには定期的に復習することが不可欠です。せっかく覚えたのに忘れてしまって再度覚え直すほど無駄なことはありません。兼業学習者にそんな時間の余裕はありません。一度覚えたら二度と忘れない!気合と工夫が必要です。気合の方は各自のモチベーションで喚起するしかないので、工夫について考えてみたいと思います。ポイントは内容と周期です。
まず内容ですが、全部を確認しようとすると大仕事になってしまって続きませんので、絞り込むことが必要です。「独自のノートを作る」の項で紹介した通り、自分にとって「これは重要だ」とか「理解できていない」「どうも覚え難い」というものに限定してノートを作り、それを定期的に見返します。時点時点で習得できていないものを絞り込んで、ポイントに集中することで効率的に習得していきます。
次に周期ですが、毎日長時間やるのはなかなか大変です。一方、時間を開け過ぎて大部分を忘れてしまったら思い出すのが至難の技になります。忘却の彼方に消えてしまう前にこまめに復習するのが一番です。ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスの「忘却曲線」によると、人が学んだ時に忘れる割合は、20分後に42%、1時間後に56%、9時間後に64%、1日後に67%、2日後に72%、6日後は75%、31日後は79%だそうです。学んだ直後から物忘れが始まり、最初は一気に、次第にゆっくりと忘れます。一方、記憶するのに適切な周期と時間ですが、まず、学習した後24時間以内に10分間の復習をすると、記憶率は100%に戻ります。そして、次回の復習は1週間以内に5分やれば記憶がよみがえります。そして、次は1か月以内に2~4分復習すれば記憶は復活します。しかも、何度かに分けて勉強することで、長期的な記憶にも繋がります。つまりベストな復習のタイミングは、「1日以内に10分、1週間以内に5分、1か月以内に2~4分」の3回です。これだけなら負担にもならず気軽に続けられます。上手く取り入れて成果を上げましょう。
あと私のように歳をとってくると記憶力を保つ努力をしなければなりません。一般的には方法は三つあるそうです。まずは「よく運動すること」で、脳に血液を送ることが記憶の保持に効果的だそうです。次に「よく食べること」です。脳を正しく機能させるためには脳に栄養を行き渡らせる必要があるそうです。最後に「脳のトレーニングを行うこと」で、常に新しいことにチャレンジすることが記憶の保持に効果的だそうです。
楽をして最大の効果が得られるように工夫しましょう。